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7BI入居企業 活動報告事業の展開と現在─ 非常に新しい技術のようですが、 具体的には何に活用できるのですか今、最も注目しているのは素粒子の検出器に使用する超高性能イメージングセンサーです。素粒子検出器は電荷を帯びた粒子が物質を通過する際に起こす反応を用いて、粒子の通過時間や粒子が損失した位置、エネルギーを測定する機器なのですが、これらは10の-9乗秒という非常に短い時間で起こります。これらの高速で変化する事象を検出器から長い配線で直接取り出すことができないため、一時的に検出器の中で情報を保持し後で読みだすことが必要です。この動作を行うためには、1つのピクセルの中に、カウンターとメモリーが必要になります。 われわれの三次元LSIは、これを実現することが可能です。─現在までに御苦労されたことは何ですか一番苦労したことは資金調達です。基本的に競争的研究資金の獲得によって、実用化研究を続けてきました。中でも東北経済産業局・戦略的基盤技術高度化支援事業(平成22年度、平成23年度、平成27年度)、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)・イノベーション実用化ベンチャー支援事業(平成25年度)を活用することができて非常に助かりました。現在では、お陰様で様々な業界の大手企業からの受託開発も増え、自立的経営が出来る水準まできました。起業、会社のおいたち─起業の経緯について教えてください私は東北大学大学院工学研究科で修士課程を修了後、大手電気メーカーの半導体事業部門でロジック、メモリー、センサーの開発に携わってきました。日本の半導体は世界でトップクラスでしたが、近年では欧米や韓国、台湾、中国に圧倒されて苦戦を強いられています。私は新しい半導体技術で日本の半導体を復活させたい、宮城県内に工場を建設して雇用を創出したいと考え、2010年4月に東北マイクロテック(株)を設立いたしました。われわれが開発している三次元LSIというのは、単なる二次元LSIの代替品・性能向上という位置付けではありません。 現在開発しているセンサーは、解像度が二次元LSIを使用したセンサーに比べて約100倍上がるというものです。この技術は弊社最高技術顧問であり、三次元LSIの世界的権威、東北大学未来科学技術共同研究センターの小柳教授の研究した基礎技術をもとに、2年半に及ぶ実証実験を通じて確立しました。東北マイクロテック株式会社最先端の三次元積層型LSIの研究・開発・製造・販売によって、宮城県からグローバル市場に 挑戦する東北大学発ベンチャー企業の「東北マイクロテック株式会社」代表取締役の元吉社長に、会社のおいたちや技術概要、今後の展望についてお話を伺いました。半導体の集積回路(IC)は、ムーアの法則に従い微細化が進んできましたが、近年技術的課題や経済的な問題が生じています。そこで、微細化に頼らずにICを進化させる技術として期待されているのが、三次元積層型LSI(IC)です。従来のLSIより消費電力が抑えられ、サイズも小さくすることができます。また、集積回路内を多数の配線で結ぶことができるので、データを同時に多数送ることができます。さらに、MEMSも化合物半導体も積層できるため、今までにない高機能の集積回路が1チップで実現できます。三次元積層型LSI製品紹介東北 インキュベーション事業 平成27年度活動報告27

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