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1起業、会社のおいたち─産総研※技術移転ベンチャーとお伺いしました私はバイオ機器メーカー出身で、微細な空間で化学反応を制御する技術「マイクロ空間化学技術」を用いた分析装置の開発をしてきました。マイクロ空間化学技術というのは、マイクロリアクターと呼ばれるミクロンサイズの微細流路を有する微小反応器を用いて、超高精度な化学反応制御を行う技術 です。産総研ではマイクロ空間化学技術を活用してナノ粒子を合成する研究を行っており大変興味をひかれました。産総研では、産総研ベンチャー創出プラットフォームを立ち上げ、産総研の研究成果を生かして日本型ベンチャー企業を起こし、成長過程・成長モデルの研究を行う目的で2002年から2007年に「ベンチャー開発戦略研究センター」を開設しており、私は2004年にスタートアップ・アドバイザーに就任し、2006年5月にNSマテリアルズ株式会社を設立しました。その意味でNSマテリアルズ株式会社は産総研にとっての研究対象でもあるベンチャー企業と言えます。事業の展開と現在─ 初期に調達した資金を使い切って、 どう乗り越えたのですか?立ち上がりは順調でした。起業して1年後に大手商社からの出資と大手化学メーカーからの開発委託費で数億円を 調達することができました。これにより研究開発は弊社、製造は大手化学メーカー、販売は大手商社という体制も初期段階で構築できました。調達した資金を元手に3年間で何か1つ販売可能な材料が開発できればと考えていました。ところが結論を申し上げますと販売可能な材料は開発できずに数億円を使い切ることとなりました。この間、小さいながらも経営を支えたのは医療機器事業でした。決して大きな収益では ありませんが、着実に実績を上げていくことで本格的に材料事業に取りかかるまでの間を何とかつなぐことができました。2009年(第5期)に何かを変えなければいけないと決意し、2010年(第6期)に受託開発から自主製品開発に転換すると第二創業を宣言して、「GROWTH、GOING」というスローガンを掲げました。その時に着目したのが量子ドット蛍光体(Quantum Dots)です。これは化合物半導体ナノ粒子でLED光源用の高機能なナノ蛍光体となるものです。─ 次世代の4K、8Kテレビに 必要不可欠な材料だそうですね現行のディスプレイは、白色LEDバックライトとRGBカラーフィルターで色を再現しているのですが、われわれが開発した赤産業技術総合研究所(産総研)技術移転ベンチャー企業である「NSマテリアルズ 株式会社」代表取締役・金海氏にこれまでの御苦労と今後の展望についてお話を伺いました。BI入居企業 活動報告NSマテリアルズ株式会社ナノ蛍光体使用ディスプレイは、バックライトユニットを白色LEDから青色LEDに変更してQDStick®(0.5ミリ角の棒状 ナノ蛍光体)を組み込んだもの。従来白色LEDによるバックライトを、ナノ蛍光体(+青色LED)に変更するだけで、色域が1.5倍以上広くなる。CONFIDENTIAL 従来白色LED使用ディスプレイ ナノ蛍光体使用ディスプレイ 色域規格 従来白色LED ディスプレイ ナノ蛍光体+青色LED ディスプレイ BT.2020 ITU-R 52% 81% NTSC CIE1931 70% 108% (面積比) 従来白色LEDによるバックライトを、ナノ蛍光体(+青色LED)に変更するだけで、色域を1.5倍以上広くなる。 スマートフォンに使用されている5インチ液晶ディスプレイ ナノ蛍光体使用ディスプレイは、バックライトユニットを白色LEDから青色LEDに変更してQDStick®(0.5mm□の棒状ナノ蛍光体)を組込んだもの。 CONFIDENTIAL 従来白色LED使用ディスプレイ ナノ蛍光体使用ディスプレイ 色域規格 従来白色LED ディスプレイ ナノ蛍光体+青色LED ディスプレイ BT.2020 ITU-R 52% 81% NTSC CIE1931 70% 108% (面積比) 従来白色LEDによるバックライトを、ナノ蛍光体(+青色LED)に変更するだけで、色域を1.5倍以上広くなる。 スマートフォンに使用されている5インチ液晶ディスプレイ ナノ蛍光体使用ディスプレイは、バックライトユニットを白色LEDから青色LEDに変更してQDStick®(0.5mm□の棒状ナノ蛍光体)を組込んだもの。 スマートフォンに使用されている5インチ液晶ディスプレイ製品紹介ナノ 新産業領域に インキュベーション事業 平成27年度活動報告15

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