令和3年度第2版 事業承継支援マニュアル
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■ 93 ■©2021 SMRJⅥ Q&A集Q2 後継者候補が複数いる場合、親族内でどのように調整したらよいですか? 後継者の選定に当たっては、現経営者の意向、後継者候補の資質や意向、後継者候補以外の親族の意向、株式や資産の所有状況等をふまえ、総合的な視点で方針を出す必要があります。 かつては長男が事業を承継するケースが多くみられましたが、変化の激しい経営環境に対応していくためには、慣習にとらわれることなくふさわしい人物を後継者に選定する必要があります。 経営ビジョン、意欲、覚悟、そして経営実務能力など総合的な視点で選ぶことが必要です。 後継者候補が複数いる場合には、選定の判断基準を示して、選定を進めることがトラブル防止につながります。 また、事業承継を円滑に進めるためには次のようなポイントをふまえて対応すると良いでしょう。具体的な進め方(例)①兄弟のうちの一人を後継者に選定した場合は、後継者以外の兄弟への十分な配慮が必要です。株式・財産の分配については、後継者には株式の移転を中心に行い、他の兄弟にはそれに相応した資産の分配を心がけるべきでしょう。分配すべき資産が十分に無い場合には、議決権制限付種類株式の活用も一つの方法でしょう。②後継者を一本化できない場合は、共同経営(たとえば事業ごとに業務を分担する、場合によってはカンパニー制等の独立採算体制をとる)、分社化(たとえば事業ごとに会社を分割する、場合によっては持株会社を活用する)なども対応策として考えられます。③事業承継実行後にトラブルが発生するなど、不測の事態に備えて、現経営者は株式の譲渡の際に拒否権付株式(黄金株)を保持することや、遺言書の作成を行うことも大切と思われます。④平成30年度税制改正により、事業承継税制が適用できる後継者が一定の要件を満たせば1人から最大3人まで拡大されましたが(特例措置)、承継後に後継者が安定的に経営できるか否か検討が必要です。 ・後継者の選定に当たっては、出来るだけ早い段階で着手し、じっくり時間をかけて選定した上、選定後にも十分なフォローを行うことが必要です。いずれの段階においても、互いの立場を思いやり、良好な関係の維持に着目した対応が必要です。Q2後継者候補が複数いる場合、親族内でどのように調整したらよいですか?A2ポイントポイント

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