令和3年度第2版 事業承継支援マニュアル
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©2021 SMRJ■ 5 ■2.事業承継支援の全体像を支援機関内で共有 前項で見てきたように一般的に、事業者から事業承継について相談してくるケースは少ないので(第Ⅲ象限の事業者群)、支援機関側から掘り起し(声掛け)が必要となります。<事業承継支援の全体像> ①掘り起し(声掛け) → (②セミナー参加など) → ③相談対応 → ④専門家へ橋渡し   ②の矢印が横切っている線の上下が、前頁の図の横軸となります。   ①から④までの流れで行われる事業承継支援が理想的です。   支援者ごと(上図では、「支援機関」[専門家」)に役割や知識量、考え方等が異なりますので、それぞれが自分の立ち位置を理解した上で、支援全体の流れを共有する必要があります。自ら相談してこないケースが多いため、支援機関から働きかけて「顕在化」させることが必要(掘り起し(声掛け))支援機関専門家相談対応時に、必要な能力は、課題の整理と適切な専門家へつなぐこと(課題の整理にあたって最低限の税務・法務の知識が必要)顕在化した事業者潜在的な事業者事業承継診断等①②③④Ⅱ,ⅠⅢ,Ⅳ各地の事業承継・引継ぎ支援センター、よろず支援拠点、士業等<「事業承継支援の全体像」と事業承継ネットワーク事業との関連性について> 平成29年度から中小企業庁が主体となって「事業承継ネットワーク構築事業」(以下、「NW事業」)が始まっています。 NW事業で活用されている「事業承継診断」は、①〜④までの流れを追跡できるツールとみることができますので、何件実施して何件回収、という結果だけにこだわるのではなく、どうしたら掘り起し(声掛け)から専門家へ橋渡しの件数を増加させることができるのか、PDCAツールとしての活用も考えられます。 さらに、NW事業終了後も事業承継支援を継続して行っていくにはどうしたらよいのか検討していくことも重要です。これを検討しない場合、NW事業実施中は①→④を意識していても、NW事業終了後は③④しか意識しない事業承継支援(次頁参照)に戻ってしまいます。したがって、NW事業は単発の事業として捉えるのではなく、今後も地域で事業承継支援に取り組むための足がかりとして捉える必要があります。(注)事業承継ネットワーク構築事業(NW事業)は、令和3年4月より、事業承継・引継ぎ支援センターに統合されています。

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