令和3年度第2版 事業承継支援マニュアル
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■ 144 ■©2021 SMRJⅥ Q&A集Q40 事業譲渡において労働条件を変更する場合の留意点は何ですか?1. 労働条件の変更と労働者の同意 事業譲渡により労働条件に変更がない場合や労働条件が向上する場合は、労働者の同意は得やすいといえますが、労働条件が低下する変更を行なう場合は、労働者の同意を得ることが困難になる場合が多いと考えられます。労働条件の変更の同意を得られなければ、結果として転籍の同意も得ることができないことになってしまいます。 事業譲渡とともに労働契約を承継し、労働条件が低下する変更を行なおうとする場合は、変更となる労働条件をできるだけ具体的に労働者に事前明示し、丁寧な説明をして理解を得る努力をされることが、転籍の同意を得る近道となるのではないかと思います。2. 事業譲渡で検討しなければならない主な労働条件 事業譲渡に際し、労働者の同意を得るために事前に労働者に明示することが望まれる労働条件(譲受会社との労働条件)の主要項目には、次のようなものがあります。(1)賃金と賞与 ①毎月の賃金の支給基準、昇給基準、評価基準 ②手当の有無と支給基準 ③賞与の有無と支給基準  (2)退職金 ①譲渡会社に勤務していた期間に対応する退職金の精算方法又は承継方法 ②退職金の有無と支給基準(3)労働時間と休日 ①1日及び1年の所定労働時間数 ②1年間の所定休日数(又は所定勤務日数)(4)年次有給休暇等 ①年次有給休暇の付与基準 ②未取得の年次有給休暇の承継及び勤続年数の通算の取扱い ③休職制度や他の休暇制度の有無と付与基準(5)福利厚生制度 ①慶弔見舞金制度の有無と付与基準 ②福利厚生制度と福利厚生施設の有無(6)就業規則等 ①正社員及び臨時社員就業規則 ②育児介護休業制度 ③再雇用制度、出張旅費規程 ④労働協約及び労使協定 (7)年金等 ①厚生年金基金 ②健康保険組合 ③中小企業退職金共済契約  などQ40A40事業譲渡において労働条件を変更する場合の留意点は何ですか?

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