令和3年度第2版 事業承継支援マニュアル
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■ 142 ■©2021 SMRJⅥ Q&A集Q39 事業譲渡における従業員との労働契約と労働条件についての留意点は何ですか?1. 留意点 事業譲渡により労働条件が低下する場合は、労働者の同意を得なければなりませんが、実際には労働者の同意を得ることはかなり難しいと思います。したがって、事業譲渡と同時に転籍の同意を得るためには、概ね譲渡会社と同程度またはかなり近い労働条件が提示されることが多くなるようです。この労働条件には賃金及び退職金、福利厚生制度など労働契約事項として成立している一切の労働条件(参考Q40の2.)が対象となります。 事業譲渡にあたっては、次の2.と3.の事項に十分留意してください。2. 譲渡会社と譲受会社の労働契約承継の合意について(1)労働契約は一切承継しないという合意の場合 労働契約は一切承継しないという譲渡会社と譲受会社との合意も有効と考えられます。(2)労働契約の承継についての合意がない場合 事業譲渡の合意事項の中に労働契約の承継についての記載がない場合は、原則として労働契約は承継されません。ただし、特定の労働者の労働契約が対象に含まれていない場合は、労働契約を承継する旨の黙示の合意の推認等により労働契約の承継が認められることがありますので留意してください。(3)全部または一部の労働者のみを承継するという合意の場合 譲受会社と譲渡会社の双方の合意によって、承継対象とする労働者を決定すればよいことになります。しかし、特定の労働組合員を排除する目的の場合や労働条件の切り下げに応じない労働者を対象から除外するなどした場合、その合意が無効と判断されることがありますので留意してください。Q39A39事業譲渡における従業員との労働契約と労働条件についての留意点は何ですか?

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