令和3年度第2版 事業承継支援マニュアル
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■ 101 ■©2021 SMRJⅥ Q&A集Q 10 生前贈与のメリット・デメリットを教えてください。また、経営承継円滑化法の民法特例はどのような制度ですか? 事業承継の観点からは、生前贈与は、後継者への財産移転の方法のうち、オ−ナ−経営者の生前に権利が確定されるため最も確実な方法であり、オーナー経営者の意思に沿った方法で、生前中に後継者に対する自社株式や事業用資産の移転が完了するというメリットがあります。ただし、生前贈与財産も遺留分の基礎財産に算入されるため、後継者以外の相続人の遺留分の配慮が必要ですので、経営承継円滑化法における民法の特例を活用することも検討すべきでしょう。 これに対し、遺言によって相続させる場合には、事前の準備の状況によっては、自社株式や事業用資産の分散、財産分配等をめぐる相続人間の争い等、会社経営に影響を及ぼしかねないリスクを持ち続けることになります。生前贈与のメリット・贈与者の意思で財産を移転することが出来ます。・経営承継円滑化法における民法の特例を併用することによって、遺留分に係る紛争を未然に防止することができます。・「相続時精算課税制度」を利用した生前贈与の場合の財産は、相続税を計算する際、相続時ではなく「贈与時の時価」で評価されることとなります。このため、相続財産である自社株式の価値が相続時に上昇していることが見込まれるような場合には、相続時精算課税制度を活用した生前贈与を行うことが有効です。(暦年課税制度と相続時精算課税制度の概要についてはQ11参照)生前贈与のデメリット・相続税より贈与税の方が税率の累進度合が高いため、まとめて多額の贈与をすると、贈与税の負担が大きくなります。経営承継円滑化法の民法の特例・経営承継円滑化法の民法の特例には、後継者を含む経営者の推定相続人全員の合意により、経営者から後継者に生前贈与された自社株式について、⑴遺留分算定の基礎財産から除外する「除外合意」、⑵遺留分算定の基礎財産に算入する際の価額を固定する「固定合意」があります。※個人版事業承継税制の創設に伴い、「個人事業主に関する民法の特例」が令和元年7月16日に施行されました(除外合意のみ)。Q10生前贈与のメリット・デメリットを教えてください。また、経営承継円滑化法の民法特例とはどのような制度ですか?A10

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