令和3年度第2版 事業承継支援マニュアル
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■ 100 ■©2021 SMRJⅥ Q&A集Q9 遺言を活用する際には、どのような点に注意すればよいですか? 遺言はいつでも撤回できるため、生前贈与ほど後継者の権利が確実ではありません。その結果、以下のような問題が発生する可能性があります。  ・複数の遺言書が発見された場合の問題  ・後継者以外の相続人の遺留分の問題  ・遺言の有効性をめぐるトラブル等 ・代表的な遺言の方式としては、自筆証書遺言と公正証書遺言の2種類があります。自筆証書遺言は、作成するのは容易ですが、トラブルが生じる懸念がある(法的無効を含む)という特徴があり、公正証書遺言は、手間・費用等、作成するのは面倒ですが、形式不備等のリスク懸念がなく安心感があるという特徴があります。・遺言内容の実現を確実にするため、遺言執行者を指定しておくことが大切で、その際、利害関係者以外の第三者(弁護士等)を遺言執行者に指定しておくのが望ましいでしょう。・紛争が生じないよう、全ての相続財産についての分割方法を指定しておくことが大切です。・後継者以外の相続人の遺留分を侵害しないようにすることが必要です。Q9遺言を活用する際には、どのような点に注意すればよいですか?A9ポイントポイント自筆証書遺言公正証書遺言作成方法メリットデメリット遺言者が、原則として、証人2人以上とともに公証役場に出かけ、公証人に遺言内容を口述し、公証人が筆記して作成。・遺言者が単独で作成できる。・費用がかからない。・遺言の形式不備等により無効になるおそれがない。・原本は、公証役場にて保管されるため、紛失・隠匿・偽造のおそれがない。・家庭裁判所による検認手続が不要である。・作成までに手間がかかる。・費用(注)がかかる。(注)費用の目安として、1億円の遺産を3人の相続人に均等に与える場合は、約10万円の手数料が必要となる。・文意不明、形式不備等により無効となるおそれがある。・遺言の紛失・隠匿・偽造のおそれがある。(注)・家庭裁判所の検認手続が必要である。(注) (注)民法の改正により(令和2年7月10日施行)、自筆証書遺言を作成した方は、法務大臣の指定する法務局に遺言書の保管を申請することができるようになります。遺言書の保管所に保管されている遺言書については、家庭裁判所の検認は不要となります。遺言者が、日付、氏名、財産の分割内容等の全文を自書し、押印して作成。なお、民法の改正により(平成31年1月13日施行)、添付する財産目録はパソコンで作成することが可能となりました(各頁に署名押印が必要)。ただし、遺言書本文については、これまでどおり手書きで作成する必要があります。

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