令和元年度版 中小企業経営者のための事業承継対策
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Copyright ©2019 SMRJ All rights reserved19遺言の活用7株主総会での議決権が制限されている株式。後継者には議決権のある株式を、後継者以外の相続人には議決権制限株式を与えることで、後継者に経営権を集中することが可能となる。特定の決議事項について拒否権を有する株式。先代経営者が黄金株を保持することで、後継者が独断専行経営を行うといった事態を防ぐことが可能となる。相続によって株式を取得した者に対して、会社が株式の売渡請求を行い、強制的に買い取ることができる制度。軽易な方式の遺言であり、自書能力さえ備わっていれば他人の力を借りることなく、いつでも自らの意思に従って作成することができ、手軽かつ自由度の高い制度。平成31年1月13日より、財産目録については自書しなくてもよくなり、また、令和2年7月10日より法務局における保管制度も創設され、自筆証書遺言が更に利用しやすくなる。法律専門家である公証人の関与の下で、2人以上の証人が立会うなど厳格な方式に従って作成され、公証人がその原本を厳重に保管するという信頼性の高い制度。また、遺言者は、遺言の内容について公証人の助言を受けながら最善の遺言を作成することができ、遺言能力の確認なども行われる。自筆証書遺言 :公正証書遺言 :遺言書を作成することで、後継者に自社株式、事業用資産を集中することが可能です。ただし、遺言はいつでも撤回できるため、生前贈与と比べて後継者の地位が不安定となり、遺留分の問題や遺言書の有効性をめぐるトラブルが起こることもあります。また、遺言書は相続発生後に開示されるため、当事者の思惑と異なり相続後の事業運営に支障をきたすこともあることから、計画的承継手法の推進を図ること等の取り組みが大切です。各種遺言の中で、公正証書遺言が自筆証書遺言に比べて有効です。経営承継円滑化法の活用(33~47ページ参照)8現経営者の生前に計画的に事業承継に取り組むにあたって、非上場株式に係る相続税・贈与税の納税猶予・免除制度、遺留分に関する民法特例、金融支援といった中小企業経営承継円滑化法の活用を検討することも有益です。個人保証・担保の処理9現経営者の個人保証について、後継者も連帯保証人に加わることを求められる場合があります。現経営者は、事業承継に向けて債務の圧縮に努めるとともに、「経営者保証に関するガイドライン」にもとづいた金融機関との交渉や、後継者の負担に見合った報酬の設定等の配慮が必要です。議決権制限株式:拒否権付種類株式(黄金株):相続人に対する売渡請求:

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