経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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本部長の3名のもと、6グループ(具製造、シュウマイ、蒸し餃子、春巻、生餃子、物流)に分かれている。プロジェクトチームは、製造本部長をリーダー、各グループ長(6名)をメンバーとして、この幹部3名とグループ長6名によるプロジェクトの推進体制で行った。特に、細谷社長による率先垂範のプロジェクト推進は、当社にとって有効かつ効果的な活動となった。特に、社長自身が日頃困っている判断基準については、現場で原理・原則に沿って現実的なものとすることで、また、専門家のアドバイスについては、社長が自社の言葉に置き換えてメンバーに確認をしながら伝えることで、メンバー全員の理解を深めることができた。<テーマ1:省エネ実践支援>1年間の省エネ活動の支援開始は平成23年4月で、東日本大震災の影響で外部環境が大きく変化し、支援内容に電力不足対策を急遽追加しての支援スタートとなった。直面している使用電力量削減対策に並行して以下の活動を進めた。 省エネ活動は二つのテーマを掲げて推進した。一つ目は省エネ実践活動として、メンバーに省エネの意義と必要性を理解してもらい、省エネ活動のPDCAを回せる素養を習得することとした。二つ目はシュウマイラインのボトルネックを解消し、当ラインの生産性向上を図ることとした。 省エネ活動は四半期毎に活動目標を設定しての活動とした。⑴第1四半期(平成23年4月~6月)現状把握のため、エネルギー使用設備の状況把握とボトルネック設備の調査を行い、判明した事柄を当面の使用電力量削減策として実施(打ち水、屋根への散水、照明削減、非常用発電機のレンタルなど)し、ボトルネック設備であるスチーマの構造と運転方法の確認を行った。 ⑵第2四半期(平成23年7月~9月)エネルギー使用実態の定量化と省エネ対策の策定とその効果算出(削減量と効果金額)、スチーマの改善案策定とこの対策の実施を行った。⑶第3四半期(平成23年10月~12月) 設備別エネルギー使用量のパレート図をもとに対象設備を決め、設備毎に対策案立案と効果予測を行い、設備対応の不要な、作業変更や管理方法変更で対応できる対策(蒸気配管の保温、工場内不要配管撤去、スチーマの蒸気圧低下、必要蒸気量試算によるボイラー運転の最適化など)を実施し、効果を確認した。 さらに、日常管理している管理指標(消費電力kwあたりおよび消費灯油リッターあたりの生産数・売上金額)でも効果が出ていることを確認して、いくつかの省エネ活動の成功事例を体験することができた。⑷第4四半期(平成24年1月~3月)エネルギー使用量の多い設備を省エネ運転できるような調査と対応(ライン稼働状況に応じたボイラー運転台数の適正化)や各設備の効率運転化を実施した。 これらを実施することで、プロジェクトメンバーには、省エネの重要性を改めて認識してもらい、改善活動を成功させ、診断見積を上回る約13百万円/年の省エネ効果を得ることができた。そのうち、スチーマの保温性改善では使用蒸気と電力量が削減され、約2百万円/年の省エネ効果を得ることができた。<テーマ2:生産工程改善支援>もう一つのテーマである生産工程の見直し・改善では、当社工場内の生産工程を食品ではなく、自動車生産工場に見立てた工程改善及び受注増に対応した生産管理の改善について平成23年5月から支援をスタートした。 初回の現状把握では、調理食品別年間売上、調理食品別月間売上、調理食品別アイテム数等の解析を基に、重要度についてABC分析支援内容と支援成果支援内容と支援成果奥田 洋一郎 関東本部 プロジェクトマネージャー今回の支援は、社長以下向上心の高いプロジェクトメンバーによるプロジェクト活動で、その分野で知見のある他業種のノウハウを活用することで、大きな効果を上げることができ、プロジェクト活動の成功体験をすることができました。他業界の技術や視点を利用した省エネの実践と生産工程の改善により原価低減を実現

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