経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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株式会社ハイダイ工業二級技能士32人を中心とした熟練工を多く抱えている。検定制度がない手研磨仕上げ工程にも10名を超えるベテラン社員を有しており、会社方針として『当社は社員の技能向上のため全員技能士を目指して取り組んでいます』を打ち出しており、技能集団という側面を持つ。 当社を取り巻く環境としては、近年自動車関連事業は国内生産の伸びが止まり、海外現地生産が増加する傾向にある。現在輸出関係が当社売上の20%にまで増加しており、今後、現地生産化に伴い金型の現地化(現地メーカーの採用)が増加していくことも危惧される。 当社は、品質・納期・コストすべての面でこれまでの延長線上にないより高いレベルを実現し、総合力と信頼で選んでいただける企業になるために、今後、グローバルで戦える体制づくりを目指す必要がある。 前述のようにモノづくり力を革新しなければならない状況の中で、当社では、これまでの自力での改善活動には限界を感じつつあった。そんな時に、ある取引先から中小機構・九州本部の支援が非常に有効であったとの情報を入手した。その取引先は、モノづくり力を強化することを目的として、中小機構・九州本部のハンズオン支援を活用。その中で納期管理体制の確立、生産性向上、不良率の低減、品質の向上、改善提案制度の定着、原価管理体制の確立、コストダウン成果の数値化、目標管理(PDCA)を回す経営等に取り組み、モノづくり力を高めることに成功していた。 そのような取引先からの情報と経営の様子を見て、自社でも同じような支援での取り組みを実行することで飛躍的な革新が出来るのではないかと考え、支援要請に至った。その後、機構より出向き、経営陣との面談を進める中で、当社が特異な技術を持ち合わせており製造業として将来性が高く評価されること、革新に対する経営陣の熱意が大変高いことなどから本支援を進めて行くことが決定された。 QCDの視点で現状を見てみると、当社の最大の強みは納期順守率が99・7%と非常に高いことであった。コスト競争力も業界平均レベルにはあると自負していた。しかし、品質については、社外流失は少ないものの社内不良率が1.6%程度と高く、大きな経費ロスとなっていた。この原因は、①一品一様の加工であり、加工時に寸法の拾いミスを起こす危険性が高い。②金型製作はそれぞれの工程における専門性が高く、加工も多岐に渡るが、例えば後加工の取り代を残した加工をするなど複雑な判断を要することがあり、ミスを誘発する。③高度な精密検査の技能がまだ全員に備わっていない。等が考えられた。このような技術的な面に加え、『品質第一主義の精神』がまだ社員全員に十分浸透できていないことも原因の一つであるように感じられた。 そこで、当社が更に強いモノづくり体質を構築していくために、全社一丸となって品質革新に取り組み、品質面での強みを確立することにした。 具体的には①統計的手法を取り入れた教育を社員全員に行い、品質管理の意識・知識の向上を図る。②PDCAが着実に回る組織的な品質管理体制を作る。などの施策に取り組むこととした。 プロジェクト体制は製造全体の責任者である専務を推進責任者とし、活動責任者を製造部長、活動プロジェクトメンバーとして課長職9人という体制にした。大人数のプロジェクトになったが、全社一体となって取り組み、定着につなげていくためには必中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定プロジェクト推進体制-100010020030005001,0001,5002,0002,5003,000H24/6H25/6H26/6H27/6H28/6H24売上高と経常利益

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