経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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将来ビジョンの明確化と営業強化及び生産現場改善による収益性向上―経営基盤強化に資する複合支援―意識改革を図ることが急務であった。 以上から、1) 中期経営計画の策定と実行支援および営業力強化2) 食品生産工場の工程及び作業効率改善による生産性向上という2つの支援課題を設定し、できるだけ早期に成果を創出するため受入体制が取れることを確認の上、2つの課題に並行して取り組む複合型の支援スタイルをとることとした。 経営計画策定テーマについては、社長、取締役と執行役員、各部門の責任者をメンバーとしたプロジェクトチームを編成。製造現場の改善については、工場長と若手社員を中心としたプロジェクトチームで対応することとした。 当社にとって部門横断的なプロジェクトに本格的に取組むことは初めてであり、当初は、参加メンバーが不安や戸惑いを感じることが予想された。プロジェクトを円滑に推進するためには、社長が積極的に参加することが重要と考えていたところ、自ら積極的に参加することを表明され、スムーズにスタートを切ることができた。<専門家継続派遣事業①>(平成25年9月~平成26年2月) 第1ステージの支援で当社の進むべき方向をボトムアップで策定し、全社のベクトルを合わせるため中期経営計画の策定を支援した。プロジェクトチームの成果目標の共有、外部・内部の環境分析、あるべき姿の構築、経営理念の確認と具体化、戦略課題の明確化と対策、ロードマップ、アクションプラン、予想損益計算書の策定を通して経営の共通基盤を確立するとともに、経営幹部が他の部門について、どのような事業を行ない、どのような課題を抱えているのか、また、今後どのような対策を進めていくのかなどを知り、その中で、何をすべきなのかをメンバーそれぞれが考えることなど、将来の経営幹部の育成も意識した支援を心掛けた。この取組みを通して当社の課題が明確となり、対策が立案された。同時に、ローリング方式で毎年計画を見直す仕組みも構築。次期経営幹部候補であるメンバーの意識も変わった。 並行して進めている食品生産工場の現場改善は、当初、工場の部署毎に取組み姿勢に温度差があった。しかし、5Sの習慣化の仕組みづくりと推進体制の確立を進めながら、生産の現状調査(生産・工程・作業分析)、問題点と改善案の作成、生産・作業の平準化、改善対策を推進。改善効果を確認し共有することで現場社員の意識が少しずつ前向きに変化し、最終的に支援目標であった生産性120%向上を達成した。製造現場の成果は、中期経営計画のプロジェクトでも報告し、計画に反映させるとともに指揮の高揚に活用した。<専門家継続派遣事業②>(平成26年6月~平成27年5月) 第2ステージの支援として、構築した計画実施のフォローと売上計画を実現していくための営業力(特に食品部門)の強化を図る支援を実施した。当社の営業はルートセールスが主体となっているため、新規開拓や競争に負けるという弱点があった。営業の現状確認と既存商品と営業の市場における評価の分析、営業戦略の再構築、営業強化の実効性向上のための修正と再実践チャネルの見直し、先行管理システムの導入等、営業戦略の構築及び営業管理の仕組構築による営業力の強化を図った。 第1ステージと同じく、並行して食品生産工場の多品種少量生産を高品質・低価格・短納期で効率的に行う生産方式を構築する支援を行った。平準化生産の仕組みづくり、標準時間を基準にした生産管理の仕組みづくり、生産の平準化、生産の流れ化による製造原価の低減を図る取組みである。営業力強化と食品生産工場の支援を並行して実施した狙いは、食品部門の売上を伸ばすとともに、工場の原価低減を図り食品生産工場の黒字化を実現することにあった。プロジェクト推進体制支援内容と支援成果社長を中心に、2つのプロジェクトを推進。将来のロードマップを明確にし、売上、利益を確保するための仕組みを構築するとともに、食品生産工場の効率化に取組み大幅な利益を生み出した。プロジェクトの若手メンバーの活躍が大きな成功要因となっている。今後、計画のブラシュアップや先行管理が定着し、良い流れの中で2年後の創立100周年を迎えられることを期待している。山崎 純一 四国本部 統括プロジェクトマネージャー

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