経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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震災復興と将来対応の同時進行を目指し、計画経営の強化と新商品づくりにチャレンジ!1) 中期事業計画が策定され復興の青写真が明確となった。2) 年度事業計画・行動計画を策定し、目標に沿ってPDCAを回した結果、鮮魚の販売開始、仮工場での「ネギトロ」や「中落ち」などの水産加工品の生産が開始され、売上が順調に伸びた。3) 仮設工場での生産業務フローの構築とレイアウト見直しで狭い工場スペースの有効活用が図れ、生産効率が向上した。4) 新工場建設計画のアウトライン構想が完成。以上の成果が出て、復興に向けた概ねの道筋が整った。 その後の実行については、自社独自に展開するということで復興支援を終了した。<専門家継続派遣事業> 復興支援事業を終了してから半年ほど経過したが、自力での課題解決は遅々として進展せず、自社の目線に加え客観的な目線での判断が必要とのことで、社長から改めて専門家継続派遣支援の要請があり支援を決定した。アドバイザーは復興支援を担当し企業を熟知している専門家を派遣し、管理者は製造業に強いベテランを配置した支援チームとした。本支援は第1ステージから第3ステージに分け支援を実施し、第3ステージは現在支援中。<専門家継続派遣事業①>(平成26年3月~平成27年2月) 過去に支援を実施した企業であるが、上述の通り、復興を成し遂げることを第一命題として支援を実施した。 第1ステージでの具体的な支援は下記3項目。1)計画経営の徹底①現状実体把握と経営課題の整理②中短期事業計画、部門行動計画の策定③月次実績報告制度の構築と実行④新工場建設計画の立案⑤収支計画の立案と実行2)IT化「生産管理システム」の導入① 新工場におけるIT化「生産管理システム」の導入検討②受発注業務の効率向上3)新工場のスムーズな立上①新工場全体日程計画の立案② 工場レイアウト、品質・衛生管理、生産体質の抜本的改革(省人化設備の導入等)投資資金計画作成 以上の支援の結果、社長の計画経営に舵を切った決断で、管理職・従業員の計画に対する達成意欲が膨らみ、数値化・見える化が大きく進んだ。鮮魚部門を縮小し、将来を見据え水産加工、特にネギトロを中心にした加工業に特化し、経営資源を集中させた。売上高至上主義に頼らない、利益重視の経営方針にした。また、IT化「生産管理システム」の構想を立案し、システムを平成27年2月に導入することを決め、本格稼働に向けての準備が出来た。新工場建設関連では収支効率の検討、工場レイアウト構想が出来上がり、仮工場から新工場への生産移管計画の立案、QCDで競争力をつけ、顧客に迷惑の掛らない生産体制が確立出来た。<専門家継続派遣事業②>(平成27年3月~平成28年2月) 第2ステージでは、第1ステージの支援課題解決を更に具体的に進める支援を継続。具体的な支援は下記3項目。1)計画経営の定着化、実行力強化①平成27年度の事業計画・行動計画の策定。②見える化を図り数値目標を設定。③PDCAの徹底。2)新工場建設と稼働による生産体質の強化。①省人化ラインによる生産効率向上。②QCDで競争力強化。③仮工場から新工場へのスムーズな移管。3)生産管理システムの運用と活用拡大以上の支援の結果、事業計画に基づくPDCA管理、見える化が徹底されて来た。具体的には、品質不良率、人時労働生産性等が数値化されて見えることで、早期に改善策が打てるようになった。顧客クレームにも迅速に対応出来る仕組み化を立案した。ネギトロ工程の作業標準フローを作成し、マニュアル化した。また、最重点経営課題であった新工場建設は当社長の「大震災からの復興」そのために「水産加工業に特化し資源を集中させる」と言う経営判断は早かった。今回は、将来の生産環境を予見し、省力化・省人化した設備導入と新工場を内陸部に建設していく中で、計画経営の実践を支援する事例であった。社長・従業員が一体となり「見える化」を図り、経営基盤強化し、震災復興の道筋を明確にすることが出来た。川名 佐登志 東北本部 統括プロジェクトマネージャー

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