経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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四国物産株式会社た。また、比較的粗利益率が高いエネルギー関連事業についても原油価格相場の影響を受けるなど、外部環境の変化に大きく左右されるため同様な不安定要因があった。 このような状況の中、当社は、現状の「シコクハム」ブランドに甘んじることなく県産品の原料を使用した機能性食品の開発を行い過去2回オリーブソーセージで県産品コンクールに出展するなど新たな商品開発にも積極的に取り組むとともに、経営の目的・目標・方針等を明確にして社員と共有。次世代の人材育成を図りながら地域に密着した高収益企業としてさらなる発展を目指して努力していた。 当社の社長が中小機構・四国本部のセミナーに参加し、連絡を入れたことが支援のきっかけとなっている。その後、社長、役員に面談した結果、次の経営課題を確認した。一つは、当社の取扱商品は多岐にわたるが売上高は全般的に横ばい傾向。将来のビジョンや戦略が不明確で方針が定まっていないため、経営のロードマップが見えず、アクションプランが機能していないこと。5年前に中期経営計画を策定しているが、目標は未達で、計画も計数ベースで作成されており、ローリングなどの見直しも実施されていなかった。部門毎に年度の利益目標、方針を策定していたが、非常に粗いレベルの計画であったこと、また、全社的に周知されていなかったため部門長クラスであっても所属する部門のこと以外はよくわからない状況であった。 もう一つは、食品関連事業において、工場(詫間工場)の5S活動、工程改善、生産管理など、基本的な改善活動を工場長が中心となり進めていたが、効果が上がっていなかったことである。食肉製品製造の工程は、処理→味付(充填・漬け込み)→熟成→加熱→スライス→袋詰め→出荷であり、加熱を境に前工程を製造1課、後工程を製造2課に分けている。通常商品のリードタイムは3日~2週間であり、ギフト商品は高級になることから漬け込みに1週間~2週間の時間をかけており、リードタイムが長くなる傾向にあった。また、生産計画は、大日程として月単位、中日程として週単位で立てられ、見込み生産を行っていたものの、工場長が営業所や学校(給食)等からの仮発注に基づき手書きで策定している状況で、精度の面でも管理の面でも問題があった。 これらの課題について、社長、役員と協議したところ、機構事業の活用を強く要望されたため、支援を進めることとした。 当社は売上高が80億円を超え、従業員数も170名以上で、地元では存在感のある企業である。しかし当時、業績は停滞気味で利益率も減少傾向にあった。また、これだけの規模の会社でありながら取締役が少なく、全社のマネジメントを行なっているのは事実上社長一人で、他に会社全般を統括できる人材やシステムの構築が遅れていたため、経営判断や業務執行に関し、スピード不足等の問題を抱えていた。さらに、経営計画も大雑把なものしか作成されていなかったため、次世代経営幹部候補による新たな中期経営計画の策定を行うことを提案した。全社のべクトルを合わせる部門横断的なプロジェクトを推進することで組織の活性化を図り、会社全体を統括できる経営人材の輩出を狙いとした。 食品関連事業の主力である食品生産工場は、生産管理の体制はあるが、工場長が他部門の責任者を兼務しており工場業務に専念できないこと、また、どのように改善活動を推進すれば良いのか迷っていたこともあり、活動は円滑に進んでいなかった。利益を確保するためには、現場の改善を実施し、この事業を黒字に転換する必要がある。成功体験による現場改善のノウハウや効率的な生産管理など、生産性を向上させるための取組みの定着化と工場管理者の中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定-500501001502001,0003,0005,0007,0009,000H24/3H25/3H26/3H27/3H28/3売上高と経常利益

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