経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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星和化成株式会社入先であった「いその(株)」の創業者である磯野俊雄氏(平成28年3月没)が兼務で会長に就任し、翌年、資金援助。生産品目を家電・弱電関係部品から自動車樹脂部品に切替え、大手自動車メーカーグループの内外装部品を生産する会社への売込に成功。その後、平成10年(1998年)に工場長を務めていた磯野正幸氏が社長に就任するという変遷を辿り現在に至る。 現在は、1600t、1300tの大型射出成形機の保有を強みに、大型化しているラジエターグリルやバンパーなどの樹脂成形品の成形、塗装、組立てや、樹脂材料の販売などを進めている。大手自動車メーカーの他グループ企業への直納も行い、順調に売り上げを伸ばしている。しかし、財務的には厳しい状況にあり、昭和59年(1984年)の資金援助時から尾を引く減価償却不足について、関係機関の了解を経て平成25年(2013年)決算で545百万円を一括処理。そのため、大きな債務超過が生じた。 中部地域では大手自動車メーカーのグループ・関連企業が多く、仕入先への支援も活発である。そこで、大手自動車メーカーグループ・関係会社の社長、調達部との情報交換を行い、取引関係の中では支援の難しい案件について、ハンズオン支援を活用してもらうことで合意し、多数の企業の紹介を受けた。その中の1社が当社であり、訪問時のやりとりを機に支援に至った。 磯野社長、専務と面談し、2年前に実施した一括の特損処理で452百万円の債務超過となっており、何とか5年後の創立50周年時を債務ゼロで迎えたいとの要望を伺い、これまでの自主改善活動の状況についてもヒアリングを行った。その後も何度か面談を重ね、着実な改善成果を生み出すために機構の支援を得たいとの意志が固まり、専門家継続派遣事業への申込みとなった。 支援開始時の貸借対照表は452百万円の債務超過であり、当社にとって債務負担は過大な状態にあった。そのため、早急な債務解消策の策定と財務体質の健全化が課題であった。 支援は12カ月、計24回とし、活動目標は5年以内での債務返済計画の作成と、初年度返済目標の達成に向けた「製造管理・職場力向上による生産体制の再構築と財務体質の健全化」とした。現状の経営の仕組みや管理体制などの見える化を図ると同時に、着実にマネジメントサイクルを廻す活動を継続させていく為、プロジェクトメンバーを中心とした人財育成に留意しながら支援を開始した。 支援アドバイサーは大手自動車関連企業の役員経験者で、企業経営や原価管理、トヨタ生産方式(TPS)についても造詣が深く、実践経験の面でも信頼おけるアドバイザーに依頼した。アドバイザーには、支援終了後の自主活動期間が長い為、活動の維持・定着の為の組織作りや仕組みづくりについても留意し本社工場中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定売上高と経常利益

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