経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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林精器製造株式会社年(2011年)3月、東日本大震災が発生し、本社工場が崩壊した。大変な状況だったが幸いにも社員の中から犠牲者を一人も出さずに切り抜けられた。しかし、経営状況はさらに厳しくなり、売上げの大幅な落ち込みと、赤字幅の増加に苦しむことになった。 その後、主力事業である精器事業部の早期黒字化を経営課題とし、社長の指揮の元、精器事業部一丸となって採算性向上活動に取り組み、黒字化に成功。東日本大震災で被った痛手に対しても、売り上げの回復が図られた。 当社から、技術力強化の為に取り組んでいた特殊陽極酸化処理、窒素吸収処理によるアルミ材、ステンレス材の耐食性、強度の改善技術及び材料の販路開拓について相談を受けたのがきっかけとなり専門家派遣支援につながった。また、中小機構・東北本部が開催する企業経営者合同研究会に林社長が参加された際、中小機構・東北本部の行う支援の考え方について理解を得た上で、平成25年(2013年)3月、売上の45%強を占める精器事業部の採算性の改善を目指した活動支援の申込みを受け、専門家派遣支援が開始された。 支援開始前の予備調査の結果、当社の95年に渡る社歴や好業績時代の成功体験、大規模リストラなどの経緯から、当社独自の経営管理の方法と体制はすでに確立されているものと判断した。今回予定されている改善活動は、これまでのやり方を見直すだけでなく、意識変革も伴う改革となる可能性が高く、それには、経営トップの理解と率先垂範が支援成功の鍵となると予測された。その為、事前調査、予備調査、派遣計画の摺合せ、四半期、終了調査などのイベントをとらえて、経営者との議論と共通理解を最重要視して進めることにした。 社長は今回の支援を「第二創業」ととらえ、何が何でも成功させるという強い意志を示し、精器事業部長を中心とした管理体制と実施体制を組織上に編成した。これによって、精器事業部自身が責任を持って目標を達成するための体制が整い、全力を出して取り組めるプロジェクトとなった。具体的な運営は、精器事業部長のもと3人の実務部門長と事業管理部門長が、機器事業部の生産性向上という目標に基づき、それぞれの行動計画を策定し、アドバイザーの支援を受けながら、週次、月次でPDCAを回した。更に、月次の全社報告会での社長による成果確認の仕組みが構築され、着実にプロジェクトが推進された。<専門家継続派遣事業①>(平成25年3月~平成25年8月) 第1ステージは、震災後に再建した、新工場の確実な立ち上げと切削加工工程の生産性向上、熟練技能者の確実な技能伝承による研磨工程の直行率向上をテーマとして支援。採算性を阻害する真の課題を深堀する事を狙いとして、ヒアリングによる現状把握から始まった。 その結果、経営管理として業績目標、経営方針、中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定プロジェクト推進体制組織図支援内容と支援成果売上高と経常利益

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