経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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り、本格的に当社との共同開発を始めたいとの申し出があった。現在もその取組みは続いている。 また、情報収集や商談の結果、当社の炭素繊維はリチウムイオン電池の電極材料としてだけではなく、電解液に混ぜることで、リチウムイオン電池用導電助剤の用途にも使える可能性があることがわかった。この導電助剤に関してもNEDOの「新エネルギーベンチャー技術革新事業」に申請、採択され、自社で研究を重ねることで新たな分野への一歩を踏み出すことができた。 さらに、支援の中で市場調査等も行い、想定市場での販売価格、販売数量の予測と量産時における工場新築や設備投資額の検討を行った。自社で生産するのか、投資金額を抑えて外部へ生産委託するのかを比較、特許技術の移転や品質保証の問題等も慎重に検討し、最終的には会社方針として外部へ生産委託することを決めた。その際、当社のネットワークだけでなく、アドバイザーのネットワークも活用して情報収集を行った結果、技術力の確かな外部委託先工場を選定することができた。 2期、2年間の支援を通して、リチウムイオン電池の電極向け炭素繊維の開発、量産化の技術的問題を解決することができ、事業化の目途が立った。さらに、マーケティング支援において、ターゲット市場とした電気自動車用リチウムイオン電池メーカーとのつながりもでき、当初、想定していなかったリチウムイオン電池用導電助剤としての可能性も見出し、当社からは支援成果を高く評価いただいた。 「リチウムイオン電池の電極向け炭素繊維」、「リチウムイオン電池用導電助剤」の2つの製品ができあがり、海外の電気自動車用電池メーカーへの販売の目途が立ったことで、平成25年度「経営実務支援事業」でこの2つの製品を販売するために必要なツール、例えば、MSDS(化学物質安全データシート)の作成支援等を行った。新たに国内外のリチウムイオン電池メーカーから引き合いも来ており、事業化へ向けて、着実に前進している。 当社が炭素繊維で事業化を目指しているリチウムイオン電池の業界は、技術革新のスピードが速い分野であり、市場動向や技術動向等の情報収集を怠らず、自社の技術革新も常に続けるよう取り組む必要がある。 当社は、平成25年に創業50周年を機に社名を平松産業株式会社からテックワン株式会社に変更した。「テクノロジーでナンバーワンを目指す」という竹田社長の経営理念を体現したものである。 この経営理念どおり、リチウムイオン電池という先端分野において是非成功してほしい。今後の課題今後の課題経営者のことば 中小機構の専門家継続派遣事業、経営実務支援事業によってリチウムイオン電池の開発を長年経験された方を派遣して頂き、技術的課題やマーケティング課題を解決することができました。今では業界での当社製品の位置付け、セールスポイントが明確になり、事業化への足がかりを得ることができました。今後も中小機構の支援事業を活用することで当社のコア事業とすべく事業展開を進めていきたいと思います。代表取締役 竹田 忠彦社長導電助剤の電子顕微鏡テックワン株式会社負極材の電子顕微鏡リチウムイオン電池電極向け炭素繊維の製造工程

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