経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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マーケティング企画のブラッシュアップの支援が始まった。 支援対象の「Nasseel IS(Nasseel Insulation Skins)」は、金属の表面に絶縁性をもたせる当社独自の表面酸化被膜形成技術である。原材料の東芝マテリアル㈱のKCF(アルミ含有特殊ステンレス)に1,000度以上の熱を加え、表面にアルミナ(酸化アルミ、セラミック層)を10ミクロン程度形成させることで絶縁性をもたせることができる。 精密な機械加工をした後に表面処理をして絶縁部品を製作すれば、強度に劣る樹脂より部品寿命が長くなるのでトータルコストを削減できる。強度に優れるセラミックより加工性が良いので精密な部品を低コストで製作することが可能となる。これまでスポット溶接用位置出しピンとして受託、製造を行ってきた。Nasseel ISは当社のオリジナルブランド登録商標である。 Nasseel ISの販路開拓については、平成22年の中小企業総合展やその他の展示会出展で「金属なのに電気が流れません!」「特注品承ります」とキャッチコピーをつけ、電気が流れないデモをしてきた。面談した企業からは「面白いね」という意見はもらっても、具体的な用途を見出すことができずにいた。 この原因は、Nasseel ISの特徴を活かせる分野の絞り込みができていないこと、受注獲得に向けた積極的な営業推進の方法がわからずにいることにあった。 そこで、販路開拓コーディネート事業を活用し、Nasseel ISの特徴を効果的に発揮できる想定分野でテストマーケティングを実施することが有効であると判断した。マーケティング企画の段階ではブラッシュアップシート泫を使い、想定分野をいくつかあげ、どこを最優先すべき分野かの順位づけを行った。そこで出てきたのが、プリント配線板や実装後の電子基板の検査工程で使用する樹脂製のコンタクトプローブホルダーへの適用である。コンタクトプローブホルダーは、プローブピンの出入りの摩擦で消耗が激しく頻繁に取り換えており、樹脂より強度のあるNasseel ISに変更することで長寿命化によるコストメリットを提供できる。ここに当社の優位性を発揮できる代替ニーズがあると仮説を立てた。 そして、Nasseel ISに魅力を感じてくれるターゲット企業を、①電子基板の検査を行っている企業(プリント配線板メーカー、実装基板のユーザー)と、②検査冶具メーカーに絞り込んだ。支援活動の目的は、①ターゲット企業におけるニーズの有無の確認と、②本製品の性能・価格・販路などの意見を収集し実用化の課題を明確にすることである。 次にこの過程で見つかった採用可能性の高いターゲット企業へのアプローチ手法を、経営実務支援事業を活用して、専門知識と経験をもつアドバイザーにサポートしていただくことが効果的であると考えた。 泫製品やサービスの顧客価値をいかに高めかるかを順序立てて考えることで、効果的な販路開拓を実現するための支援ツール 販路開拓コーディネート事業の支援では、プロジェクトマネージャーが全体の統括、チーフアドバイザーは案件管理、販路開拓コープロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定プロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定プロジェクト推進体制プロジェクト推進体制売上高と経営利益-200-1000100200300400-1,000-50005001,0001,5002,0002,500H20/9H21/9H22/9H23/9H24/9-200-1000100200300400-1,000-50005001,0001,5002,0002,500H20/9H21/9H22/9H23/9H24/9Nasseel IS 金属製 絶縁部品の例中野ハガネ株式会社都田研究所

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