経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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ハンズオン支援を契機に、全社一丸となって改善・発信力を高め、成長軌道へコントロールする仕組みを作った上で、原価低減に向けた改善活動を円滑に進める基盤を作り、2期目の支援では、改善の目標値を具体的に設定し、それを達成する原価低減活動に取り組むこととした。プロジェクト推進体制 1期目の「原価をコントロールする仕組みづくり」では、経理全般を担当する取締役と原価分析表を作成する営業部長を中心に進め、改善活動の基盤つくりの段階で工場の全員が参加することにした。 また、活動の見える化のため中間・終了時点で全員での報告会を開くことにし、終了時点の結果を確認した上で、プロジェクト体制を見直し、2期目に進むことにした。支援内容と支援成果<専門家継続派遣事業①>(平成23年7月~平成24年2月)⑴原価をコントロールする仕組みづくり: まず、2000種にのぼる製品のうち、売上高のシェア90%を占める30製品について、それぞれ製造原価を算出する集計を行った。この過程で、算出に必要な「受注一覧表」「生産指示書」「作業日報」の整備を図った。次に、管理会計を導入し、標準原価の考え方を理解してもらい、製品別・工程別・内製外注別などの限界利益や貢献利益を明確にした。この段階で、30製品をひとつの図で年間売上高(量)と貢献利益率(質)の相関図を作成し(図Aを参照)、中間報告会で全員に発表した。参加者全員が、担当する製品はどのポジションにあるのか、図を食い入るように見ていたのが印象的であった。この報告会では、製造部門が次のステップで改善に取り組む4製品と改善目標値:原価20%低減(2期目に達成する計画)が設定された。⑵改善活動を進める基盤づくり:工場の製造部門を6つにグループ化し、改善チームを結成した。アドバイザーから改善の基本(改善の考え方・QC7つ道具・基本的なIE手法)を学んだ後に、グループ毎に改善テーマを選定、あるべき姿を設定し、現状把握-原因解析-2期目の予行演習も兼ねた実際の改善に取り組んだ。僅か2か月間の活動であったが、結果は目標▲20%に対し▲9.8%と好結果であり、未達分を2期目で達成することにした。<専門家継続派遣事業②>(平成24年4月~平成24年10月) 2期目は、⑴魅せる工場づくり、⑵原価低減活動の強化と定着化の推進の2つをテーマとした。アドバイザーは、自動車メーカー出身で中小企業の現場改善に実績が豊富な方とし、1期目のアドバイザーに管理者をお願いすることで1-2期の連続性を図った。テーマ⑴は、引合いがある顧客候補に積極的な工場見学を推進し、販路の拡大に繋げるものである。9月に中小企業大学校の工場管理者養成コース受講者による5S診断の高評価も目標とした。テーマ⑵は5S活動を切り口としてテーマ⑴と連動させ、1期目に設定した原価低減目標を達成することにある。 こうして支援を開始したが、2か月目に大きな環境変化が起きた。大手アミューズメントメーカーから大口受注の引合いがあったのである。中国の現地メーカーとのコンペだったが、求められる量を生産できる専用ライン用として、組立工場の20%分のスペースが必要となった。 そのため、この引合いと活動のバランスからテーマ⑵を中止し、テーマ⑴に「5S活動による空スペース20%以上の創出」を目標に加え、この大きな目標に向かって工場、事務所を問わず全社一丸となって取り組んだ。その様子をアドバイザーは、「みんなが目の色を変えて、びっくりする速さで進んでいる。」と報告している。 不用品廃却の整理段階を経て、整頓の段階でモノの流れの分析を行い、生産工程の短縮化を進め、結果的には約30%のスペースが生まれた。これにより、引合い先からは、生産量と設計変更への対応力や改善活動とそのスピードが評価され、中国からの発注転換に成吉村 萬澄 九州本部 プロジェクトマネージャー平成25年から、市場との双方向の意思伝達として、一般ユーザーがソレノイドの使い方を競うコンテスト(略称ソレコン)を実施している。訪問する度に新鮮な驚きを感じさせる企業であり、今後とも熱く応援していきたい。

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