経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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人事評価の仕組みづくりと営業体制の構築により強固な経営基盤を確立納得感があること」が肝要であるため、この2点を念頭に置き、従業員全員との面談を行うことで、各従業員の労務管理に対する本音を探るとともに、当社に適合する賃金制度と人事評価制度の作成のきっかけを得ることとした。この面談は、管理職から開始し、従業員にも面談を行い、特に管理職に対しては、現行の労務管理上の課題についての意見出しを中心に聞き取り、現行の賃金制度と人事評価制度の不具合を把握した。 その結果、「明確な評価基準がなく不公平感が強い」、「入社以降1度も昇給していない従業員が多数存在しており、モチベーションを低下させている」ことがわかった。 そして、これらの収集・把握した内容をもとに、当社に新たな賃金制度改訂と人事評価制度の根拠となる能力評価表、行動評価表作成の支援に着手した。賃金制度については、基本給構造の是正と手当のシンプル化、賞与の業績評価連動型への改訂に向けて素案を示しながら作り上げていった。能力評価表については基礎となる能力要件を、行動評価表についてはその根拠となる行動規範の作成を支援した。 この支援において、当社の部門内の相互理解とその後の個別検討を社内で自主的に継続することで、自らの手で納得感、公平性があるものを作り上げていくプロセスを重視した。具体的には、アドバイザーによる試案の提示、その内容の各部門内メンバーでの議論、再検討を繰り返し、メンバーの相互の関心、意味づけの浸透を図った。当初は消極的な姿勢が散見された従業員も積極的に意見交換に参加するようになり、議論の活性化が図られ、それにより、従業員参加型の制度づくりの必要性に徐々に気づくこととなった。支援中盤以降は、考課者である部長への考課方法の支援も並行して行い、改定案を用いたシミュレーションを行うことで円滑な運用を開始できるように配慮した。 その結果、①行動基準を主要素とする人事評価制度の改訂、②①の根拠となる評価基準および行動基準とそれらの評価・運用に必要な「5段階評価による評価基準書」の完成、③賃金制度の改訂を達成し、考課者も被考課者も公平で納得感がある制度となった。 これらにより、従業員30名に対し、入社3年未満での退職者数が支援前(平成20年度)は5名だったが、支援後は業績向上に伴い従業員数が37名に増加しながらも、入社3年未満での退職者数が平成25年度は1名、平成26年度はゼロとなり、本支援による従業員の定着率の改善がみられることとなった。<専門家継続派遣事業②>(「営業体制整備と営業実績の実現」)>(平成23年6月~平成24年5月) 第2期は営業体制の整備と営業実績の実現に向けて支援を行った。第1期で策定した人事評価制度とその根拠になる行動基準等をPDCAマネジメントの視点で実施するために、経営課題の一つであった営業の業務改善とそれに伴う体制整備にテーマを設定したものである。 支援内容としては、①ABC分析の実践、②個別営業目標の設定、③個別営業計画の立案と実績評価、④商談プロセス管理票の整備、⑤営業活動管理(営業日報・営業会議)の実践であり、具体的には、①訪問履歴(新規・既存)、②営業工数分析に係るデータ収集(月間実績工数表)、③日報・週報・月報の見直しの検討 、④月間工数分析から主体工数と付帯工数を区分し効率性の再度検討というように、ノルマ管理型からプロセスマネジメントの転換とチーム一体型営業マネジメントの浸透を図れるように支援を行うこととした。瓜田 豊 北海道本部 統括プロジェクトマネージャー建築需要低迷等の影響により売上高を大きく低下させたが、評価制度の確立と営業管理体制の構築により経営基盤の強化が図られ、売上高をV字回復させたことは社長以下全社一丸となって取り組んだ成果であると考えている。今後の飛躍を期待している。

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