経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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株式会社ケンリツ中小機構との出会い 藤原社長は、中小企業大学校旭川校を従業員の人材教育・レベルアップの場と位置づけ、開校以来積極的に活用しており、毎年数名の従業員を派遣し続けている。 また、厳しい経済環境にあった平成21年11月から現在まで中小機構北海道本部の窓口相談を活用している。リーマンショック後の景気低迷が続いていた平成22年3月の窓口相談では、下記の悩みを抱えているとの説明があった。・従業員の定着率が悪く、役員・幹部の数名を除いて、勤続1~5年の従業員が大半である。・賃金表がなく昇給が不定期であり、また退職金制度が存在していない。 そして、窓口相談担当アドバイザーから、「当社から若手従業員の定着率を向上し技能・技術ノウハウの伝承を確実なものにして、経営基盤を強化するため賃金制度、人事評価制度を再構築したいという潜在的な意向が見受けられる」という報告を受けて、専門家派遣制度の活用を前提とした訪問調査を実施することになった。プロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定 平成22年当時の当社の従業員数は30人で平均年齢は26歳と非常に若かった。これは、新卒・中途採用の定着率が悪く、早い場合には、1~2年で、平均5年で退職してしまう傾向が強かった。このような傾向が今後も続けば、最新鋭の機械設備はあっても技術力やノウハウの伝承やレベルアップを図ることも難しくなるなど、当社の競争力低下は避けられないため、従業員の定着率の改善を図るには、従業員が安心して働けるように、適正な賃金制度並びに人事評価制度を早急に策定する必要があると判断した。 そして、「従業員の適正な評価に基づく賃金制度の策定」を支援目標に1期目の支援がスタートしたが、公共投資の減少など外部環境の影響もあり、売上高が前年比で約20%ダウンとなった。そこで、現状のままではじり貧になるという強い危機感を企業と我々が共有し、営業体制を整備し、PDCAを定着させて、営業部門のマネジメント力を向上させることが2期目の支援課題であることを共通認識とした。プロジェクト推進体制 当社の推進体制については、第1期、第2期ともに、藤原社長が総指揮のもと、藤原社長の子息である専務の管理能力向上の狙いも踏まえて、プロジェクトの責任者となった。 プロジェクトメンバーについて、第1期は管理職、従業員合わせて14名、第2期は営業部員6名が参画した。藤原社長は平素の活動において、PDCAサイクルを回すことを各部門に周知していたが、定着に向けて改善の余地がまだまだあると感じており、本支援においてもPDCAサイクルの定着を視野に入れた支援を行うよう要望され、PDCAサイクルの意義を伝えながら、実際の支援にもメリハリをつけていくことにした。支援内容と支援成果<専門家継続派遣事業①>(「従業員の適正な評価に基づく賃金制度の策定」)(平成22年6月~平成23年5月) 賃金制度改訂とそれに伴う人事評価制度(評価基準、行動基準)の改訂に取り組んだ。 賃金制度改訂にはその根拠となる人事評価制度の改訂が必要であり、その人事評価基準には「公平性があること」と「従業員全員に売上高と経常利益

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