経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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製販分離の事業構造改革により業績を回復させ、新たな事業展開に挑戦らに、低価格帯の商品を販売する企業としての低コスト経営体質の基盤づくりを行った。1.営業管理体制の整備これまでは既存取引先を中心としたルートセールスが主体の“属人的”営業であったが、消費者の購買行動の変化によりカタログ配布による通信販売やネット販売の比率がアップするなど流通構造は変化しつつあり、従来の営業から脱皮する必要があった。 そして、まず基本事項の徹底から開始した。①2S活動の推進。必要な情報を直ちに取り出せ活用できることを目指し、不要なモノの廃棄とファイル化のルール作りを行う。②活動のPDCAの徹底。行動計画、商談シート、日報は社長、営業課長、業務担当にメールし商談への早期対応と活動状況を「見える化」する。特に売上上位20社と新規開拓先は最重点を置く。③在庫確認の迅速化。現物とデータ在庫の不一致を排除するルール作りを行う。④返品・B級商品の早期処理を営業活動項目に取込む。⑤利益重視の営業活動の実施。「営業活動分析シート(売上、粗利)作成により赤字取引先の把握と改善協議(社長、営業課長担当者)を行う。これは、今後の計画として主要取引先別の粗利予算を策定し、そのための商品ミックス、値入に活かすことを狙っている。 以上の活動は当初抵抗があったが、営業成果が上がるにつれ定着し始めた。2.新規開拓の強化 流通構造の変化を取込むためには新規顧客開拓は最重要課題であり、提案用販売ツールの作成に取り組んだ。商品カタログを始め15種類の販売ツールをリスト化し、作成担当者と作成スケジュールを決定した。特に通販・ネット販売業者は既存の取引先とは違った商談スタイルで臨むためこのツールが役立った。また、訪問準備の短縮化などの業務効率化による余力時間創出に繋がった。 そして、プロジェクト活動により当社の進むべき方向が理解できたこと、さらに営業管理体制の整備が営業管理者や担当者の背中を押したことから新規訪問活動が増え、コンテナ単位の取引検討、店舗什器の見積依頼、OEM供給の商談等幅広い取引情報が舞い込むようになった。3.業務改善による経営管理体制の基盤づくり ベトナム生産子会社からの商品仕入による価格の優位性を増益に結びつけるには、受注~納品のムダ、ロス排除による低コストオペレーションとミス防止による顧客の信頼が欠かせない。 まず各担当者の業務投入時間数を調査して業務フローにおけるネック工程の把握に努め、問題点と課題の提出を求めた。これを基に現状の業務フロー図を作成し検討の土台は整った。そして、上記の現状と課題から受注~代金決済方法まで最適な原案を新業務フロー図として作成した。さらに、各課の担当者が参加した検討会を5回開催し、原案の追加・修正を行った。案作りには全社員が関与したことから、業務の全体像と前工程・後工程や関連する部門を理解し効率化と顧客志向に向けた試行を開始した。 支援期間中、問題点は随時修正しており平成24年から取組んだ在庫及び販売管理システム再構築の重要な基盤となった。<専門家継続派遣事業②>(新規事業計画の策定)(平成22年9月~平成23年8月) 社長はかねて「完成家具事業」への進出構想を持っており、将来は当社事業のもう一本の柱にしたいと考えていた。この事業は今後進出を目指しているインターネットによる直接販売に必要な品揃えであり、当社の強みであるベトナムの生産拠点を活用するものである。 支援のステップは1.事業構想案の作成 2.事業化可能性の評価 3.新規事業計画の作成とした。1.事業構想案の作成計画の素案作りを行うために、まずは、なぜ新規事業に取組むのか、プロジェクトメンバーが当社を取り巻く経営環境と新規事業に参入する背景を理解するよう社長を中心に議論した。 そして、事業化計画の前提であ増岡 洋 中国本部 統括プロジェクトマネージャープロジェクト活動に学び業務に活かそうとする姿勢を終始持ち続け、活動終了後も自律的な取組みにより業績向上に繋がっている。特に社長がベトナムに転居した後は、プロジェクトメンバーが当社をリードしており、社長も信頼して任せている。

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