経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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佐藤産業株式会社流通構造の変化に伴って主要な販売先は、ホームセンター・家具専門店→家具量販店→通信販売・ネット販売業者に変遷しており、ベトナム生産子会社の有効な活用と“組織的”な営業が機能し始めたことによるものである。 平成24年にはベトナムに第二工場を建設するなど積極的な事業展開を行っており、社長は家族と共にホーチミン市に転居し、当社とベトナム生産子会社両社の経営に取組んでいる。中小機構との出会い 佐藤社長は、中小企業大学校広島校の「経営管理者養成コース」、「財務管理者養成コース」等を受講しており、そこで中小機構の専門家継続派遣事業を知り中国本部に詳しい説明の依頼があった。 当社はその頃国内生産から撤退し、リストラの最終段階を迎え、家具の企画・卸売事業者へ転換途上にあり課題は山積している様子が窺えた。その中でも、特に地方の中小家具製造業者が製販分離し、生産拠点をベトナムに移転、国内は企画・卸に特化し、それぞれ自立化を目指す事業モデルに注目した。 さらに、社長は決算計数、試算表をパソコンに入力・整理し、こちらからの質問に対して的確な回答があり、自社の経営実態を把握して冷静な判断ができる経営者ではないかと考えた。プロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定 佐藤社長と初めて面談した平成21年春、当社は国内からベトナムに生産拠点を移し、家具製造業から家具の企画・卸会社に転換しつつあった。事業構造変革の最終段階、同時に新生佐藤産業㈱のスタートの年で、優先課題は二つあった。 第一は企画・販売会社として発足するが、営業はあらゆる面で脆弱のため、早期の立て直しをすることであった。流通構造が変化している下では、提案営業による新規開拓は重要課題であり、営業管理を含めた営業力強化の支援が必要であると考えた。第二は業務改善の取組みであった。これまでは生産最優先の企業で、受注~納品は極端にいえば属人的で、ムダ、ロスの発生源になっていることが窺えた。今後新規取引先が増加することが予想されることから、顧客が満足する対応を低コストで実現する受注、発注、在庫業務の再構築が必要性であると考えた。 そして、支援に当たっては、プロジェクト活動で計画し、それを通常業務で実行、再度プロジェクト活動で検証、修正することにより定着させることを目指すこととした。プロジェクト推進体制 佐藤社長をプロジェクトリーダー、メンバーは若手管理者と各課のリーダー7名で構成され30歳代が中心、うち女性が2名である。メンバーに対する期待は、プロジェクトの決定事項は各課で横展開して実行に移すこと、人材育成の「場」として活動に自律的に取組むことである。また議事録を作成し、活動内容と決定事項を共有することとした。 社長は総括責任者兼プロジェクトリーダーを務めたが発言は控え目にして、メンバーが活動しやすい雰囲気づくりに心を砕いた。支援内容と支援成果<専門家継続派遣事業①>(営業管理体制整備及び新規開拓強化と業務改善)(平成21年8月~平成22年7月) 第1期は事業の再構築を確かなものにするため“属人的”な営業から“組織的”な営業に転換し、特に新規開拓強化を目指した。さ売上高と経常利益

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