経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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営業部門の中期計画策定をキッカケに経営構造の変革に至り、成長路線復帰にチャレンジ3.今後の方向性の検討 第3ステップは、分析を継続する中で当社にとって会社の発展・存続には自動車関連の事業の位置付けが最も重要であることに至った。その結果、最終アウトプットとして「中期営業戦略の提案~自動車戦略~」がリーダーである営業部長から経営陣、各部門責任者に報告された。<中期営業戦略での提案内容>⑴全社方針策定と中期経営計画見直し・自動車の成長に乗りニッチトップを目指す。(重点客先の攻略など)⑵戦略企画室の設置・環境変化をいち早く察知し、事業戦略に反映する。⑶自動車拡販戦略の策定・海外企業・エリアの優先付け等⑷営業体制の見直し・強化・自動車・海外への対応体制等自動車部品事業を最も重視した提案は「当社が考えていたことを具体的に提案してくれた」「新規事業のターゲットが明確になった」等、目標を達成し、高い評価を得て終了した。 第1ステージの最大の支援成果は「事業の方向性が明確になり、売上拡大のターゲットが設定されたこと」である。事業の方向性について多くの資料・データから「自動車業界」への注力を提案し、その後、営業部門と共同で中期営業計画を策定し、自動車特化の裏付けと具体的計画を策定することで全社の整合を図った。これで会社としての迷いが消え、1つの柱が立ち、安心して業務に邁進する空気が立ち始めた。<専門家継続派遣事業②>(平成25年5月~平成26年3月) 第2ステージでは、第1ステージの支援をベースに営業部主体の「部門計画必達に向けた事業運営の仕組みの高度化」の支援を先行開始した。自動車攻略の先兵は営業であり、新規分野・新規顧客の開拓は営業のミッションであることから、営業マネジメントの仕組みの高度化は避けて通れず、「待ちの営業スタイル」からの脱却を優先課題とした。経営陣が営業部に中期営業戦略の具体化・実行とマネジメント革新による全社リード役及び計画必達を期待していたこともある。支援内容から大手機械メーカー出身の営業実務経験者をアドバイザーとして派遣した。 営業部門のテーマが動き出した後は、経営陣と後継者で取り組む「今後の経営の方向性と組織体制の検討」を支援した。事業の柱である自動車部品は売上拡大を見込んでいるが、最もイノベーションが進展している事業分野で予断を許さない状況であり、自動車の次の柱づくりを急ぐ必要があった。そのため、経営の方向性の決断と合わせてご子息を経営に参画させる体制作りが必要と判断した。第2ステージの支援開始直前に社長は社内から次期社長を指名し、自らは会長となったことから、絶妙のタイミングでもあった。支援内容から大手化学メーカー出身の企業経営、組織・人事関連の実務経験者をアドバイザーとして派遣した。 第2ステージは計画立案ではなく、具体化・実施のステージであり、2テーマともに最適なアドバイザーで支援チームを編成し、密度の濃い支援がスタートした。1.部門計画必達に向けた事業運営の仕組みの高度化 営業に特化したプログラムを組み、営業プロセスの成功モデル(=三和WAY)構築と全社リード役に適うマネジメント体制整備を目指して支援した。<支援項目・内容(取り組み順)>⑴客先別取引経緯分析顧客へのアクセスポイント、当社のアピールポイント、ファーストコンタクト~売上獲得までのリードタイム、受注確率を整理し、課題を明確化。⑵新規顧客獲得の仕組みの改善展示会・ホームページの企画の改善。支援期間中には新たな企画で国内展示会に1回出展し、新規顧客リストを獲得した。⑶営業プロセスの見える化訪問計画策定、売上につながる現保有テーマの見える化、短期及び長期の計画管理の確立。⑷マネジメント体制構築売上向上のKPIを抽出し、目標達成のためのマネジメント強化策として月次進捗管理、差異分析から課題解決出来る仕組み(PDCA)を導入し、定着を図った。 商談は顧客・チャネルから舞い込むことが多く、かつては見積・試作の対応に間違えなければ数字を作れる待ちの営業体質であった。この体質をマネジメントが機能する体質へと変革すべく、管理職が中心となって舵を切った。最終的にはPDCAを自社で回せることを目標に置き体質強化を進めた。 本テーマではマネジメント革新を実施し、管理職から「“重点課時田 冨士男 本部 副統括プロジェクトマネージャー他社にない技術を持ちながら栄光の成功体験、その後の事業環境の激変~停滞気味な現状の打破を、どの様なプロセスで変革するかにトライしたモデル的支援事業である。今回の支援を機に経営構造及び人事制度などの企業基盤の強化に発展させている関係者に感謝と引き続きの努力に期待したい。

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