経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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三和ニードルベアリング株式会社中小機構との出会い 平成22年度の中小機構関東本部主催のセミナー「チャレンジKANTO21」に社長が参加したことが当機構との出会いである。セミナー参加後には、「新規事業開拓指針の策定」をテーマとする関東本部の専門家継続派遣事業の支援で指針が策定された。そして、社長は社内のボトムアップを期待して若手層からの事業変革の提案を待ち望んでおり、関東本部の支援で得られた成果を基盤にしてさらに強化したいとの思いがあった。また、「新事業・既存事業を含めた全体事業計画の策定と実行等」が課題として残っており、当機構の広範で高度な支援に社長の信頼が高まっていた。当機構としては事業内容・課題から大きく変貌すると確信し、本部主導による長期支援を念頭に置いた支援を決心した。プロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定 支援要望は①新規事業分野の探索と新規事業戦略策定、②中期経営計画策定、③処遇制度の構築であった。 そこで、支援を開始するためのヒアリングを実施したが、その際に経営陣から受けた印象は「強い事業、企業体質への思い」と「堅実な経営スタイル」であった。一方で、多くの社員にも接触するにつれ、経営陣の思いと社員の期待の擦れ違いがあることが分かり、そこから掴んだ課題は「トップダウンとボトムアップ両者の力量の向上」や「マネジメントの仕組みの見直し」などであった。 こうして、数項目の改善策を実施すれば答えが出ることではなく、経営構造・マネジメント・風土・マインドを変革するテーマと捉え、長期プログラムでの支援が必要との認識を持った。プロジェクト推進体制テーマ毎に部長職をリーダーとし、管理職を中心としたプロジェクトチームを編成した。支援を進める節目々々で経営陣に活動の意味合い・進捗状況を報告し、方向性を確認して共通認識を持つようにした。経営陣の後押しもあり、回を重ねるごとにメンバーのやる気が加速され、目標達成への統合度が高まり、その結果、高評価されるアウトプットに至った。支援内容と支援成果<専門家継続派遣事業①>(平成24年6月~平成24年12月) 第1ステージの支援テーマは「新規分野・新規顧客の具体的探索と今後の方向性検討」とし、大手電機メーカー出身で営業やマーケティング、事業運営の実務経験者をアドバイザーとして派遣した。1.今後の事業展開に資する現状の確認 第1ステップでは新たな事業の柱づくりのトリガーとなるよう、中期経営計画の精査・外部環境調査・競合分析・業務プロセス分析等を徹底し、現状把握と課題抽出に集中した。 3ヶ月経たところで現状確認・分析結果の中間報告会を実施した。中間報告会では今後の課題設定・その解決の方向性から支援内容を絞込み、経営陣に提案して承認を得た。<今後の課題設定・解決の方向性>⑴マーケティングチームの立上げ⑵新分野、新規客先の探索⑶事業ビジョンの策定2.新事業分野・新規顧客の具体的探索 第2ステップでは、自動車を担当する営業部門を中心にマーケティングチームを編成し、アドバイザーと協働で自動車業界に関連した市場、技術、顧客等のあらゆる項目の現状調査・分析を徹底的に実施した。 当機構独自の調査機能をフル活用し、公開情報から自動車関連の広範かつ貴重な情報(世界自動車販売予測、パワートレイン市場予測、自動車部品出荷額推移等)を収集したが、これらの情報は数十点に及び、その分析が「新たなターゲット市場」を特定するための道筋を見出した。売上高

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