経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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株式会社大矢根利器製作所様に合わせたカッターユニットを提供している。当社は、このミニカッター分野における世界のトップメーカーであり、大手企業H社と市場を分け合っている。中小機構との出会い 四国本部では、3年ほど前から金融機関との組織的な連携強化を推進している。最近では、地元優良企業を紹介いただき支援するケースも多い。当社との出会いも、連携を進めてきた金融機関からの紹介である。当社を訪問して社長にヒアリングした結果、①本社から中国工場向けに可動刃、固定刃、その他部品を供給していること、②国内ではミニプリンター(レシート)のカッターユニットは中国工場に移管を進めて減少傾向にあり、代わってバーコードプリンター、フォトプリンターのカッターユニットが増加傾向にあること、③工程は、切断→粗研磨加工→成形→熱処理→仕上研磨→組立→検査→出荷となっていて、製造リードタイムが45日程度であること、④工程別に管理されているが、確たる生産計画がなく一気通貫の管理が出来ていないため、工程間のばらつきが大きく仕掛在庫が多いことがわかり、本社工場の効率化に課題があることを把握した。 また、ある販売会社と共同でトイレットペーパーカッターを開発し販売していたが、全く売れていない状況で、取引先からの依頼による商品開発には対応できるが、オリジナル商品を開発する仕組みやノウハウが確立できていないことがわかった。 これらの課題について社長と協議した結果、支援を強く要望されたため、金融機関と連携し、支援を進めることとした。プロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定 国内工場、中国工場の位置づけは、付加価値の高いもの、技術レベルの高いものは国内生産、その他量産品は中国工場で対応する体制となっている。当社の売上高は国内市場の成熟化はあるものの海外への販売が伸びていることから成長傾向を示しているが、今後の成長戦略を考えた場合、グローバルな視点に立った新商品開発や新分野進出等の経営革新を図っていくことが重要になってくる。まさに、その経営機能強化を図る時期であった。また、国内の取引企業との関係では、パーツメーカーとして長年の実績と信用があり、高いシェアを確保しているが、製造現場における基本の実践や工程間のムダ、仕掛在庫の増加、リードタイムの長期化といった利益の源泉となる製造現場の効率化と管理に課題を抱えていたため、早急に対策を講じる必要性があった。 以上から、マーケティング志向に基づき、主体性をもって新商品を開発する仕組みづくりを進めるために、「新商品開発プロセス・ノウハウ等の導入、新商品開発のための組織の構築」を支援することとした。また、製造現場改善の取組みとして、「製造現場の基本である5S等の習得と効率化、リードタイムの短縮、生産管理体制の構築」を主体とした支援を進めることとした。なお、実施に当たっては、社長の要望、受入体制を勘案し、短期間で成果を創出するため、2つのプロジェクトを並行して実施する複合型とした。プロジェクト推進体制 新商品開発については、開発・技術担当執行役員をトップとした技術部開発技術課、品質保証部生産改善技術・生産技術課のメンバーによるプロジェクトチームを結成し、基本をマスターするとともに、具体的な新商品開発を通してノウハウの定着化を図る体制をとった。 製造現場の改善については、成果と実践を意識し、製造担当執行役員をトップとした生産管理部門(外注工程管理課 資材調達課)、製造部門(投入切断課 プレス成形課 マシニング課 フライス・ボール盤課 熱処理課 歪矯正課売上高と経常利益

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