経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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 当社は、鹿児島県の奄美群島のみが製造できる黒糖焼酎の製造企業である。業界では最も遅くスタートしたが、主力製品「れんと」のヒットや焼酎ブームにも乗り、売上規模でNo.1企業に成長した。経営計画の振返りを行う中で、工場の人材育成が取組課題として認識された。これまで工場には、5Sや生産性向上が目標として掲げられていたが、具体的に取り組んだことはなかった。そこで、専門家継続派遣事業を活用し、初めて本格的なカイゼンに取り組んだ。工場全員を対象に改善技法の習得や実践活動を通じた結果、改善効果を金額換算することなどで生産性と品質向上が図られるとともに、常に改善の意欲を持つ人材が育ち始めた。 黒糖焼酎は、黒糖を原料に米こうじを使用することで奄美群島(奄美大島、徳之島、与論島など13からなる島嶼)のみに製造を認められている特産品である。原料から想像されるほどには甘味はなく、糖分はゼロ。柔らかな口当たりとまろやかな風味で飲みやすい。 当社は、奄美市で結婚式場や宴会場を営むホテルと遊技場を事業としていた現在の会長が、平成8年に市内の小規模焼酎酒造所からの依頼を受けて、経営を引き継ぎ、スタートした。奄美群島に黒糖焼酎メーカーは27社あるが、当社は最も後発のメーカーである。工場は、奄美市から車で一時間に位置する宇検村にある。村にそびえる奄美大島最高峰の湯湾岳からの湧水が焼酎を造る割り水に最適だからであり、会長の生まれ故郷への恩返しも背景にある。 焼酎造りは、素人集団からの挑戦であったが、鹿児島県の工業技術センター等の技術指導を受けながら、平成9年に当時では珍しいブルーボトルの「れんと」が誕生した。「れんと」は、当社の主力商品となっていくが、よく知られている特徴が2点ある。 一つ目は、女性杜氏が開発した企業概要企業概要経営基盤強化型初めての工場カイゼンへの取組みにより次代を担う人材の育成を推進黒糖焼酎業界で最後発の酒造メーカーながら、設立14年で業界のリーディングカンパニーとなった。今後の成長を確かなものにするため、初めて工場の本格的カイゼンに取り組み、次代を担う人材の育成を図った。九州本部 プロジェクトマネージャー 吉村 萬澄企業名 株式会社奄美大島開運酒造業 種  黒糖焼酎、クエン酸飲料の製造販売所在地  鹿児島県奄美市名瀬港町9-15資本金 31.5百万円設 立 平成8年4月売上高 1,784百万円(平成23年9月期)従業員 49人(正社員27人)株式会社奄美大島開運酒造初めての工場カイゼンへの取組みにより次代を担う人材の育成を推進宇検工場全景左から◆すっきりパッション(農商工等連携認定事業商品)◆れんと(音響熟成の主力商品)◆紅さんご(アナタが選ぶ地酒大show2012春プラチナ賞受賞)

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