経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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常務はシステム構築に向けた全体像、課題を理解し、以後の推進に弾みがついた。「提案依頼書」に基づいて3社から提案があったが、アドバイザーの助言を得ながら社長、プロジェクトメンバーは時間をかけ十分に検討し、あるべき姿をより具体的に描くことで共通理解を深めた。さらに、要件定義、基本設計、詳細設計の各段階では、主要店長、本部の要望がシステムに可能な限り反映されるようアドバイザーが調整に取り組んだ。現在、店舗の広域化のもと販売管理、在庫管理、計数の加工・分析による意思決定の支援にこのシステムは有効に機能していることを確認した。<専門家継続派遣事業第2期>(平成22年2月~平成23年2月) 平成20年~21年にかけ「蔵之助」は12店舗出店、「the dan」は14店舗撤退するなど事業構造改革は急激に進展した。このような短期間の変化は、支援第1期の中期経営計画の見直しと店長の早期育成が急務となった。 特にアパレル業では店長の力量によって売上は相当な格差がつくといわれているが、まず新任店長が標準レベルに早く到達することを目指した。そのためには本部と各店業務を洗い出し、整理し、体系化することが必要であるが、その過程で“その仕事をなぜやるかを十分に理解していない”、“やるべきことがキチンとできていない”などの課題が明確になり改善に取り組んだ。また、各店からは業務改善の要望事項や“自店ではこうした”等成功事例も多く寄せられ、それらを体系的にまとめた「店舗運営マニュアル」を作成した。このマニュアルには、3S、標準時間、価値作業・非価値作業、投入工数などモノづくり企業の現場改善で活用される指標や手法が導入されており、「サービス業の生産性向上」に繋がる取組みが展開された。 さらに中期経営計画の見直しも、第1期支援の成果によりプロジェクトメンバーが主体となってマーチャンダイジングの見直しとアクションプランの作成に取り組んだ。第2期支援活動は全店47店が参画したプロジェクト活動となり、社長は「支援による社員の成長で、今後の店舗出店に自信を深めた」とレビュー会で述べられた。 以上のような事業構造改革の進展、業務基盤の整備、中堅幹部の育成により堅実な経営体質を構築しB/S、P/L、C/Fは支援開始前と比較すると、大幅に好転した。具体的には平成25年3月期自己資本比率61%、平成20年~25年の6年間で粗利益率4.1ポイント向上、実質無借金経営などである。 当社は創業40周年を控え、平成25年8月から業態の基本的見直しをテーマとした「経営実務支援」による支援を開始した。 事業構造の改革によりここ5年は増収増益が続き財務内容も中堅アパレルとしてはトップクラスとなった。ただし、この業界においては油断禁物である。社長の危機察知能力は優れた創業経営者ならではのものがあり、課題解決に向け引続き支援したい。 当面の課題は以下の2点である。⑴セントラルバイイング・チェーンオペレーションのメリットを生かす営業戦略・組織を再構築すること。⑵事業の陳腐化は年々早くなっているため、新たな業態の立ち上げを考えること。今後の課題今後の課題経営者のことば 中小機構の皆様の支援により、この数年間好調な実績が達成できました。一生懸命やっていれば事業は上手くいく世の中ではないようです。アパレル業界も消費者志向の多様化、高齢化、子供人口の減少、外資の国内参入など複雑かつ影響の大きい変化が起きています。こうしたことに対応すべく引き続き中小機構の皆様のご指導をいただきたいと考えています。代表取締役 伊達 社長株式会社ジーンズ・カジュアルダン

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