経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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ェクト活動は初めて、支援を終了するには惜しい」と語っている。 平成18年以降、様々な課題に応じて支援に取り組んだ。<専門家継続派遣第1期>(平成18年11月~平成19年10月) 先ず経営ビジョンづくりに取り組んだ。この過程で創業以来の当社の足取り(右肩上がりの成長と平成16年以降の減速)を丹念にたどり、経営ビジョン、目標の明確化と取組み課題を共有化したことは以後のプロジェクト推進の原動力になった。支援テーマは、①中期経営計画の策定と推進、②商品力と販売力の強化、③販売管理システム構築に備えた業務の見直しである。 中期経営計画の根幹は「蔵之助」を成長軌道に乗せることである。この時期、「蔵之助」の業態としての完成度が低く滞留在庫の処分損の発生など多難な時期であったが、30歳代のマネージャー、ブロック長が中心となって中期経営計画を策定したことは、初めて経験する業績の後退局面に目標と航路を示すことで挑戦意欲を喚起することができた。この計画書では出店戦略の推進、店舗コンセプトの明確化、バイヤー機能の強化など10項目を設定し、目的、目標、推進内容、手順、体制を明確化したアクションプランを作成し、担当責任者を中心に取組みを開始した。 商品力の強化は最重要課題であり、上記計画書策定において多くの時間をかけた。最初の取組みは顧客ターゲットの年齢層を引き上げたことである。出店している複数のショッピングセンターの顧客層の違い等を考慮しながら、仮説→実行→検証を繰り返した結果である。次のステップは、“利益のもと”である仕入の抜本的見直しである。従来は本部が方針と仕入先を指定し、商品、数量は店長の裁量で仕入れていた。このメリットは地域性、購買層の違い等に的確に対応できること、店長が責任をもって販売に取り組む等いわば商店主の良さを取り入れた方法である。しかし、店舗数が40店を超えるとこの方法ではデメリットが大きいことが現実化してきたことから、本部集中仕入(セントラルバイイング)に転換した。セントラルバイイングの運用成果は大きく、粗利益率は平成20~25年の6年間で4.1ポイント向上した。 販売力の強化においては、魅力ある店づくり、接客力強化に取り組んだ。最終的には「魅力的な店舗構築リスト」、「接客マニュアル」に取りまとめた。多店舗化、広域化、従業員増加のもとでは必要なものである。 店舗の増加と広域化、固定客化、業務効率化を考えると、「販売管理システム」の再構築が重要な課題であることは社長も十分認識していた。プロジェクト活動において発注、在庫管理、販売管理の見直しを進め改善案が作成された時点で「経営実務支援事業」(平成19年2月~平成19年5月)により専門家を派遣し、「販売管理システム構築概要案」が策定されたが、社長の決断として、提案通り導入するにはプロジェクトメンバーが未消化なことから保留とした。この支援の終盤になって「戦略的CIO育成支援事業」によるIT化支援が始まることを知り、この事業にバトンタッチすることにした。<戦略的CIO育成支援事業>(平成21年4月~平成22年10月) 上記の業務整備等を基にして支援活動を開始した当初は、プロジェクトメンバーは一言でいえば“馴染めない”状態であったが、アドバイザーの「やってみせ、言って聞かせ、させてみせ…」による実践的な支援により活動は軌道に乗り「販売管理システム」の構築に向けた中間報告を取りまとめた。このシステムの根幹は、商品アイテムと店舗増加、広域化に伴う販売管理、在庫管理の「見える化」である。この報告により社長、支援内容と支援成果支援内容と支援成果増岡 洋 中国本部 統括プロジェクトマネージャー“社風”の良い爽やかな企業で支援プロジェクト活動の取組み姿勢も素晴らしい。社長、常務の人柄が反映されている企業である。当社には、業界トップクラスの業績と働きがいのある企業づくりを目指してほしい。思い切った事業構造改革と若手起用により再び成長軌道へ

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