経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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会社の将来像を明らかにすることで、真の経営課題を浮かび上がらせ、経営基盤を確立・ 事業戦略と具体的テーマへの展開・ 具体的テーマの行動計画・収支計画作成 当社にとって社内横断プロジェクト活動は初めてであったことから、支援当初は緊張感が漂うものであったが、市場・競合・事業領域別のSWOT分析にかかる辺りからはメンバーの参画意識・一体感も高まり、活発な議論・検討が進んだ。さらに、アドバイザーからの提起による“生活者の食の安全・安心志向”“苦情・クレーム発生原因”などの議論や、展開中の4つの事業をPPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)手法により、〈給食:金のなる木〉〈ミニヨン:花形+金のなる木〉〈直営店:4つのマトリックスの中心〉〈卸売:問題児+負け犬〉に位置付けてそれぞれの事業の対応や相互シナジーの検討を行った。 この取組みを通じて、これまで社内でなされなかった《(新店舗出店計画も含む)多角度からの企業経営の議論》がなされ、非常に意義の大きな活動になったものと考えている。 そして、議論・検討の経過・結果は、社長に対して常務やアドバイザーを通じて逐次報告がなされ、深みのある議論に対して高い評価をいただいた。 こうした現場の視察・確認や議論検討を通じて、会社の改善課題も種々見えてきた。・繁忙期・閑散期の人的対応・ 苦情やクレームを生んできた衛生問題 (設備の老朽化やヒューマンエラー対応)・ 社内コミュニケーションの希薄さ (情報伝達ルール・会議体の整備等)・ 意思決定や責任・権限の属人性・ 社員の評価、賃金制度、育成制度等がそれであるが、優先順位を付けた上で次回以降の支援での対応を検討することとした。 そして、6か月間の成果としての〈中期経営計画〉には、以下の各項目を盛り込むこととした。a. 経営理念(経営目標確認と意義の見直し)b.経営方針・ビジョンc.経営戦略 : 事業戦略(4事業の現状と将来について、マーケティング戦略) : 財務戦略(投資と収益とリスクバランス)d. 経営計画(経営基盤の強化に向けて・・・ヒト、モノ、カネ、情報etc.) さらに、支援終盤3月には、全社員への計画周知を目的に、全5回に分けて全員に集まってもらい、『中期経営計画発表会』を行った。 「会社が進むべき道や‘あるべき姿’を明確にすると共に、これまで各部署に潜在化していて見えにくかった諸問題・課題を、プロジェクト活動を通じて、組織全体の問題として明確化・共有し、改善の方向性や体制の検討を行ったこと、その過程を通じて社内コミュニケーションが各段に進んだことの意義が非常に大きかった」というのが、社長からいただいた評価であった。<経営実務支援事業>(平成27年4月~平成27年8月)「衛生管理体制の確立と充実支援」 一方、専門家継続派遣事業に際して行った現場視察や経営課題の議論を通じて、当社が独力では解決し難い喫緊の課題として《衛生管理面強化の必要性》がクローズアップされた。折しも、異物混入・食の安全性が喧伝された時期であったことから、学校給食等で社会的責任を担う当社として、衛生管理の徹底は避けて通れないテーマでもあった。 そこで、当社から要請を受けたことから、経営実務支援事業により、【衛生管理体制の確立と充実】に向けた支援を行うこととした。 衛生管理体制の確立には、“製造ラインや動線の見直しを含む設備改善・更新計画等、いわゆる《ハード面》の対応”と、“教育による意識改革、作業手順の見直しと標準化、管理状態の見える化、再発防止徹底のための体制作り等か松尾 靖彦 九州本部 統括プロジェクトマネージャー会社は、高い知名度・社会的使命や好業績の裏に、経営面・事業面で幾つかの課題を抱えていた。経営者の強い“変革の意思”が、意欲を持つ若いリーダーを中心としたプロジェクト活動を動かし、課題解決を成功に導いた好例であるものと考えている。

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