経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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“モノづくりの前に人づくり”という経営ポリシーの下、この2つが大きく成長 当社は「溶射加工」において存在感のある企業であり、支援が始まったのは前社長の急死により若くして現社長が就任して2年が経過した時であった。折しも、市場環境は厳しく経営状況も思わしくない時に経営を承継した若い女性社長は、経営体質強化の必要性を強く持っていた。その原点は、製造業である限りモノづくりの現場であると考え、先ずはお客様に納期通りに納品すると言う基本中の基本から改善に着手した。定石通り、納期管理といえば生産管理システムの整備から始め、同時並行的にシステムを確実に実行するための現場力を強化することを進めた。その過程で社長が目指す人の成長が図られ、その結果として利益体質の工場へと変革を遂げた。企業概要 当社の設立は昭和32年、社名の由来である自動車用エンジンのシリンダー内径のボーリング加工から出発した。その後、昭和38年に溶射技術を導入し、地元水島コンビナート企業からの回転機械部品の修理整備に始まり、印刷・ポンプメーカー向けに溶射適用部品の製作と施工を事業の柱としてきた。溶射による寸法復元や耐摩耗性・耐腐食性を付加する溶射技術の研究開発に力を注ぎ、平成18年には紙パルプ技術協会から「佐々木賞」を受賞。平成20年には経済産業省の「元気なモノづくり中小企業300社」にも選ばれた。更には、「第3回ものづくり日本大賞 優秀賞」を受賞した。 また、品質に関しては、平成17年ISO9001を取得、更に平成26年には航空宇宙防衛産業における特有要求事項を追加したJIS Q 9100:2009を取得し、顧客の信頼を得ると共に新規事業展開にも備えている。 このように、技術開発・研究及び品質管理に重点をおいていること、またそのための人材育成に注力していることが当社の大きな強みである。 一方、製造領域では多品種少量生産への対応力を得意とすることを積極的に打ち出している。このことは生産性を求める製造現場では相矛盾する課題でもあるが、厳しい同業者競争を勝ち抜くためには克服しなければならない重要課題である。 当社の佐古社長自ら大変な勉強家であると共に、従業員の育成にことの他力を注ぎ、人あっての企業という経営ポリシーが貫かれている。経営基盤強化型“モノづくりの前に人づくり”という経営ポリシーの下、この2つが大きく成長「モノづくりの前に人づくり、結果は後からついてくる」、と言うのが経営を承継された若い女性社長のポリシーであった。改善活動を通してモノづくりの基本を理解し、目標を持って、その達成のために工夫をする・考える集団に変身することができた。中国本部 プロジェクトマネージャー 油木 正幸企業名 倉敷ボーリング機工株式会社業 種  製造業(溶射加工・精密機械加工、回転機械整備等)本社所在地 岡山県倉敷市松江2-4-20資本金 30百万円設 立 昭和32年11月売上高 1,270百万円(平成27年11月期)従業員 82人(正社員70人)倉敷ボーリング機工株式会社溶射風景溶射装置一例(HVOF)

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