経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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カホク運送株式会社 支援の成功要因はアドバイザーが提唱する管理会計の施行と付加価値由来の賃率による経営管理指標の確立(Sフレームプロセス)であり、収益性のシンプルなモノサシが出来たことにより担当者レベルでも注力すべき要素が明確になった事が上げられる。又、人事労務関係の所規定類の整備、労働環境の改善も並行して実施され、当初狙いとした、全員参加の経営が醸成された為といえる。【第2ステージ】(平成26年7月~平成27年6月) 平成26年7月から翌年の6月までの第2ステージは長期的な成長を可能にする為の体質強化を目標とし、テーマを「事業計画実行支援による支援成果の確かな定着とあるべき姿を想定したバランスシート(BS)の作成による財務体質の計画的強化」とした。 事業計画実行支援では、自主的に開催される月次の業績検討会への参加と社長との面談から、事業ドメインの再構築、経営計画の実行、課題解決、経営幹部のマネージメントスキルの向上、組織作り、事業計画の振り返りと次年度事業計画の策定、中期計画のローリングによる再構築へのアドバイスを実施した。 成果として継続的にスパイラルアップさせる事業計画管理が可能な体制となった事、業績的には27年度5月決算が増収と大幅な増益となり待望の黒字化が達成された事が上げられる。 又、あるべき姿を想定したBSの作成支援では、財務を担当する専務とマンツーマンで、5年後を想定したBSを作成した。5年後の自己資本比率を想定した利益留保、それに必要な売り上げと利益率、営業施策、設備投資、人員確保などの必要項目を各組織機能に分担してもらい検討・調査を実施した。こうして、財務面の問題点の整理、成長の為の必要施策の検討などから、全社的に資金運用の重要性が認識された。 さらに、並行して支援をしていた二重ローン対策のための債権の資本組み入れ、雇用助成金取得、利益還元などにより、28年度には債務超過状態から抜け出す見通しも立った。これにより、財務の健全化計画が見えるようになり、長期的視野に立った事業計画も作成され、成長への期待がもたれるようになった。 今回の支援の柱となった管理会計の経営管理への活用では、4マス月次利益計画予実績管理表(Sフレーム)と、それからの進展した、日次利益管理表が使われている。シンプルに利益管理が出来るようになったことによる利益創出の可視化は、今後の会社としての成長の大きな武器になると思う。今後の課題 経営力強化のための課題は各組織・機能にまだ多く存在していることから、課題解決に向けて経営管理のPDCAを確実に回して解決を図り、さらに継続して強化して行く必要がある。 中期構想である『宮城県北地域NO.1運送業』はまだ途上であり、強化して行く競争力と『もの』を大量に取り扱うと云う優位なコアを利用した展開により、中期目標の達成を目指すべきである。経営者のことば 東日本大震災で被災し、会社の立て直しに奮闘する中で中小機構様の門を叩きました。専門家の先生のご指導のもと、復興に向け中長期の計画を策定しました。また、管理会計の考え方を教授頂き、数字の検討の仕方を根本的に変えていきました。その結果、一年が過ぎた頃から幹部の様子に変化が見られ、それまで数字に関心を示していなかった幹部が数字をもとに議論するようになりました。一人ひとりの意識の向上を通じて、確実に利益が出せる体質に変わりつつあります。 熱心に取り組んでくださった中小機構様と先生方に感謝しております。代表取締役 佐藤 俊一社長4マス月次利益計画予実績管理表(Sフレーム)

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