経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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カホク運送株式会社北NO.1”をめざして業績拡大に取り組んでいる。中小機構との出会い 震災後、当社社長は地元の商工会議所やトラック協会から紹介され、東北本部の窓口相談にて助成金、新規事業、社屋の仙台移転、人事労務など幅広い内容の課題について相談をしていた。この社長との数回の面談を通し、復興を目指し、全社的にビジョンを明確にして取り組むべきとの結論になり、専門家派遣(復興支援)事業につながり、さらに、経営基盤強化に取り組むため専門家継続派遣事業による支援へと継続された。プロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定 社長は、震災により経営の基礎データも多く失われたが、復興にあたり、“宮城県北地域トップの運送会社”という中期的なビジョンを実現できるものとして再構築したいと思っていた。そのためには、社長の考え方が中期事業計画(ビジョン)として明確にされ、事業計画に落とし込こまれ、行動計画として整合、社員と共有化されることが必要であり、計画的経営による運用と、全社的な組織展開が不可欠であった。 また、社内の組織化体制が未熟であり、業務全般が社長・専務に集中しすぎていたため、組織を再構築し、業務フローと業務分担を明確にして、効率的な運用を目指すべき状態でもあった。 さらに、業績的には赤字であり、債務超過状況に陥っており、改善を要する状態にあったが、利益管理の元となる、経営(業績)管理が結果管理(試算表による)であり、利益管理としては判りにくく、PDCA指標としては不適正であった。そこで、利益体質を作る為には、プロセス管理によりPDCAが回せる指標と仕組みの構築を必要としていた。 そして、緊急策として本社の仙台移転と社屋建設の課題が上げられており、震災復興が一段落した時点では、負債処理としての二重ローンの問題が顕在化する事が考えられていた。 このように、震災復興に加え、体質的課題も多く抱えており、課題の重点化・優先化による計画的な改善支援を必要としていた。プロジェクト推進体制 経営の基本構造的な課題と個別経営課題が混在している為、前者の経営基盤構築については、窓口を社長・専務として取り組むこととし、後者の個別経営課題については、テーマごとにプロジェクトを立ち上げ、責任者を置いて取り組むこととした。支援内容と支援成果<震災復興支援事業>(平成24年5月~平成25年3月) 復興支援としての全体目標を、東日本大震災・大津波被害からの事業再生を契機として「宮城県北地域トップの運送会社に」を目指す事として、事業基盤強化は、経営の基盤となる社是、経営理念、中期ビジョン、事業計画、行動計画の必要性の理解と策定、運営とする事にした。 社長、専務、経営幹部への計画策定の支援成果として、当社にとっては初めてとなる、第一次の経営の基盤が網羅された、経営計画が策定(第21期経営計画書)され、機構の関係者も参加して、発表会が開催された。 この策定の過程と発表会を通して、全社での共有化が図られ、又、策定の過程でアドバイザーより提供される、付加価値管理による利益管理様式(単月、及び累積の予実績が一表で管理できる4マス管理表)、得意先別売上ABC分析、売り上げ年計表などの活用を通し、市場分析、計画策定、管理方法など科学的な管理方法が習得され、理解された。売上高と経常利益

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