経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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経営数値を社員が理解しやすい指標に置き換え、参画意識を高め、経営者と社員が一体となった管理により業績を回復 東日本大震災により甚大な被害を受け厳しい経営が強いられる中、社長は“宮城県北地域NO.1”を目指して再建に取り組んでいたが、社長の熱意が社員に十分に伝わらず、苦闘していた。そこで、中小機構の支援を受け、経営者の基本的な経営姿勢を明文化して公表し、取り組み方を事業計画・行動計画として設定。経営者、社員が協力して取り組む環境を作り、期、半期、月次、日次のPDCAを回す事により、利益を生む構造を構築・運用することにより、黒字化を図り復興を果たした。並行して、弱体な財務体質の立て直しを計画、将来の有るべき姿としての長期事業構想を立案し、来年度には債務超過状態からの脱出が予測できる状態となった。 さらには、業績管理として、予算計画の予実績管理と、売上管理から付加価値収入管理へ移行することにより、収入と支出の関係が明確となったことから、管理会計(変動型損益管理)を導入して経営改善を成功させたモデルケースと云える。企業概要 当社は昭和32年(1957年)に現社長の祖父が創立し、平成4年(1992年)に現社長が三代目の社長として就任した。従来は地元(宮城県石巻港)の水産加工品の運送で業績を伸ばしていたが、平成23年3月11日に発生した震災により本社が全壊し、取引先である魚加工会社も、多くは沿岸部にあったため大きな被害を受け、事業再開が危ぶまれた。幸い社長の即断による避難により、社員も大多数が早期に職場復帰が出来、トラックも全数無事であった。 しかし、魚類(加工)運送だけの仕事では繁忙期と閑散期が有り、不安定な経営を強いられるため、一般貨物運送を開始していたこともあり、震災から2週間後には仮設事務所を開設。会社に送られてきた支援物資をボランティアで避難所に運ぶことから始め、需要の多かった首都圏、関西からの一般貨物の運送を再開した。 現在、一般貨物の運送は売上げの80%を超える状態となり、物流アクセスに便利な仙台港近くに本社事業所を新設して、一般貨物、魚類加工品の運送による“宮城県経営基盤強化型経営数値を社員が理解しやすい指標に置き換え、参画意識を高め、経営者と社員が一体となった管理により業績を回復東日本大震災による社屋の全壊、主要顧客の事業崩壊という、非常に厳しい経営環境の中、経営基本方針の全社共有化、業績管理方法の見直しによる社員参画経営を推進。さらに、復興助成制度も利用して会社体制の整備・基盤強化を実施。こうして、苦境を乗り切り、業績回復を果たした。東北本部 プロジェクトマネージャー 八重嶋 征夫企業名 カホク運送株式会社業 種 一般貨物運送業本社所在地 宮城県仙台市宮城野区中野1-2-15資本金 10百万円設 立 平成4年12月売上高 823百万円(平成27年5月期)従業員 33人カホク運送株式会社同社運送トラック本社新社屋

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