経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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中期経営計画実現を支える情報化戦略企画策定と実施により、持続的成長と経営効率化が可能に!<戦略的CIO育成事業> 支援を始めるにあたり、当支援をいくつかの局面に分割した。 まずは企画局面としてIT企画局面(IT戦略企画書の策定と承認)、次にIT調達局面(パッケージやベンダー選定を含むIT導入計画の策定と承認)そして最後にIT導入・活用局面である。このように3局面に分割したのは、最上流工程で経営ニーズと情報化の整合性がとれていることを担保すること、パッケージやベンダーが確定後の方が現実的な導入・運用の費用や期間の確定がしやすいからであった。<戦略的CIO育成事業①>IT企画局面(平成26年3月~平成26年10月) 当局面はIT戦略企画書作成と経営層による承認を目標とした。活動内容を大別すると、①現状認識、②あるべき業務の姿の考案、③あるべき業務を支える情報化機能とその期待効果の検討、④そしてそれらをまとめたIT戦略企画書作成および承認にまとめられる。 まず、①現状認識については、トップインタビューや部門長ヒヤリングにより企業の全般的課題を俯瞰することから始めた。続いて、現状の業務について詳細にその流れや課題を分析していった。この局面ではまだ情報化の議論は行なわず、特に業務面で課題を深掘りし、整理していった。 次に、②あるべき業務の姿の考察を行なった。ここでは、①の現状認識活動で分析・考察した課題を解決するために、あるべき新業務フローについて詳細な検討を行なった。この活動ではプロジェクトメンバーの、現状にとらわれない創造的なアイデアが求められた。 さらに、③あるべき業務を支えるために必要となる情報化機能について検討を加え、この情報化によって期待できる効果予想も行なった。今回の効果予想では、現状業務とITを活用した新業務フローでの労働時間の差異(低減量)を試算し、第三次中期経営計画における経営指標目標に対して、現状のままで進捗した場合と新たな情報化を実施した場合の効率化による要員増の抑制が期待効果として算定され、KPIとしてセットされた。 最後に、④上記をすべてIT戦略企画書としてまとめ、プロジェクトリーダーが社長に対し報告を行なった。結果、その内容に対し、社長は承認された。 このIT企画局面では現状およびあるべき業務とそれを支える情報化機能について詳細な検討を行なったが、このような活動を最上流工程で行なうことは非常に重要であった。なぜなら、当プロジェクトの大きな目標である「中期経営計画の達成と持続的な発展」を支える情報化のためには、経営ニーズと情報化のベクトルが最初の企画段階から合致していることが重要だったからである。<戦略的CIO育成事業②>IT調達局面(平成27年2月~平成27年8月) 当局面はIT戦略企画書に記載された情報化実現のために、IT導入計画書作成と経営層による承認を目標とした。活動内容を大別すると①提案依頼書の作成、②ベンダーによる提案、③ベンダー選定および④これらをまとめたIT導入計画書作成と経営層による承認にまとめられる。まず、①提案依頼書の作成が行なわれた。当局面の前段階であるIT企画局面では、すでに、あるべき業務を実現するために必要となる情報化機能について検討済であった。しかし、ベンダー側から見て当企業にとって必要となるパッケージや機能、既存パッケージでは対応不可能な部分のカスタマイズ部分を明確にして、より適切な提案をするためには、前段階で検討済であった内容をより詳細化し、候補となるベンダーに、「どのような機能を求めているのか」をわかりやすく明示することが必要で、そのような内容を盛り込んだ提案依頼書を作成した。②ベンダーによる提案につ支援内容と支援成果今回のご支援の成功要因は①中期経営計画にもとづいた情報化に対する経営層の強い思いとコミットメント、②企業側の充実した受入体制(プロジェクトリーダー、メンバー)、③中小機構の派遣専門家の実績のあるオーソドックスなご支援手法びおよび④企業側・中小機構・ベンダーの優れたチームワークがあげられる。今後、IT戦略企画書に記載されたKPIを達成するために企業側で引続きいろいろな活動を実施されることを期待したい。根塚 眞太郎 機構本部 プロジェクトマネージャー

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