経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
129/172

FSX株式会社調へと押し上げてきた。 また、平成21年(2009年)のインフルエンザ大流行をきっかけに「おしぼりでも手軽な殺菌・除菌を」とのヒントを得て、産学連携により抗ウィルス製品(『VB』=ウィルスブロック)を開発。レンタルおしぼりに加え紙おしぼり製品にも展開することで、医療現場等の新たなニーズにも応えている。 他にもおしぼり契約店舗向けの資材卸事業とフランチャイズ展開の推進、昨今はネット通販にも注力する等、次々と新たな一手を繰り出している。 「古い体質のおしぼり業界にイノベーションを起こす」べく、藤波社長は奔走する。 当社は平成25年(2013年)、業容拡大に伴い本社工場の大規模な更新投資を行った。その際協力を得た政府系金融機関からの紹介で、中小機構・経営支援部主催の「イノベーション倶楽部セミナー」に参加したことが出会いのきっかけであった。 同セミナーには藤波社長自らが参加。柱となるレンタルおしぼり事業からの多角化を進める中で、各事業における将来性の検証、成長戦略の検討等を行い、「10年後のビジョン」をまとめあげた。また、セミナー参加は成長途上にある自社を見つめ直し、現在抱えるさまざまな課題について再考する契機になった。セミナー終了後、藤波社長から①伸長する各事業売上に見合う利益を、しっかりと確保できる体質を築いていきたい、②企業の成長に貢献してくれている社員を、適切に評価、処遇できる制度を構築したい、との相談を受ける。中小機構では、次のとおり当社の抱える課題を掘り下げ、専門家派遣を視野に支援目標・テーマを絞り込んでいった。 当社への視察と面談、決算書からの財務分析等を通じ、中小機構では主に以下の課題認識を持つに至る。1.事業別の損益が見えていない当社の売上規模は多角化によりレンタルおしぼり事業単体時に比べ約3倍に成長。しかし、利益は3倍増にはほど遠く、前期は本社工場の償却負担もあり営業赤字に至る。 しかし、社内では事業別の損益やコスト構造が掴めておらず、赤字要因も見えていない故に具体的な手を打てていない状況にある。2.「売上のみ」「結果のみ」の管理 突出した事業アイデアと営業力により成長を続ける反面、各事業が追うのは売上一辺倒で事業毎の「粗利」等は話題に挙がらない。 また、月次または年次の結果を試算表ではじめて認識する(売上アップを喜ぶも、後に赤字と判明することも)部門も多く、「計画に基づくPDCA」が最適なタイミングで回っていない。3.投資・調達に係る資金計画の検証 大規模な本社工場投資を借入で行ったが、その返済に加えてさらなる投資構想もある中で、資金負担の増大が心配される。 所要資金計画と、それを裏付ける事業の損益見通しについて、現状を踏まえしっかりと精査し、具体化する必要がある。製品:レンタルおしぼり中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定売上高と経常利益

元のページ  ../index.html#129

このブックを見る