経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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新店舗出店プロセスの標準化と投資による成長可能性と財務リスクの見える化―飲食ベンチャーの成長基盤強化支援―ミュレーションだけではなく、財務リスクの理論的な把握も行うため、この時点では社内全体への共有化ではなく、まずは経営トップのみによる条件設定、リスク確認が最優先となるため、支援目的に沿った推進体制を作った。<経営実務支援事業>(平成27年1月~平成27年6月) 今後当社は浜松市、静岡市以外の人口10万~30万人の地方都市へ店舗展開を想定していた。これまで社長、副社長が行なってきたマーケティングプロセスをブラッシュアップするとともにミドルマネジメント層によるマーケティング推進を可能とするための標準化が重要な課題となっていた。そのため、 「新店出店時のマーケティングプロセスのブラッシュアップ支援」を支援目標として下記4点を実施した。1)現行のマーケティングプロセスの確認と課題抽出2) 今後のマーケティングプロセスの検討と出店基準づくり3)業績管理体制の検討4)マーケティングプロセスシートの整備具体的には、現行の新店出店時のマーケティングプロセスの確認と課題抽出及びその改善検討を経ながら、以下の支援が行われた。1) コンセプトシートによる業態コンセプトのブラッシュアップ2) 商圏分析表、競合店分析表、広告宣伝比較表による出店基準の策定3)店舗面積、席数等の店舗規格の策定4) 店舗構築ガントチャート等による店舗構築プランの整理 社長からは、これまで自社内で試行錯誤しながら検討や構築を進めていた業態のマーケティングプロセスにおける各種ドキュメント化を本支援の過程で成果物としてまとめることができ、期待以上の成果だと評価された。 また、ひとつの業態をプロセスに落とし込む手法を構築できた点も成果として認識され、これらは今後の当社のレベルアップに寄与できる成果であった。なお、本支援終了後に、タイミングよく豊橋店が出店されたが、各種ドキュメントは新店舗出店の検討材料として活用された。<専門家継続派遣事業>(平成27年9月~平成28年2月) 前述のとおり、増収増益を続け、店舗数も増加している中、第2ステージの支援では、1店舗単位の出店時投資回収計算という視点ではなく、新店出店が続き、内外装への設備投資がどのようなペースで行われた場合に、どのような財務バランスとなるのかを定量的に把握する方法の整備を課題とした。現状、多店舗展開の投資資金は借入で賄っているが、事業構想と財務基盤を両立させるためには、店舗展開のスピードや時期、店舗数と、その結果試算される財務バランスを事前に捉え、必要な手を打てるようにする必要があった。 まず第1段階で現行のてんくう業態による成長シナリオを明確にし、出店数、出店エリア、広告宣伝、人材獲得・教育等はもとより、損益および財務構造の計画まで踏み込んでいくことにした。さらに今後の新業態についてもその概要を検討していくとともに、新業態の収益構造および財務構造まで数値化していくことにより、中長期的に事業優位性と財務安全性を両立しうるビジネスモデルを描き出せるようにした。新業態は飲食事業に限定せず、関連するIT事業領域も視野に入れて進める計画とした。そのため、「中長期的な業態および運営方法等の検討にもとづく財務構造の明確化と財務安全性の検討」を支援目標として、下記の3点を実施した。1)現業態継続時の財務見通しの試算2)現業態継続+新業態導入時の財務見通しの試算3)新たな運営形態の場合の財務見通しの試算支援内容と支援成果「稼げる」ビジネスモデルを確立し増収増益を続けている。今のさまざまな取り組みのなかから新業態、新事業など「次」を生み出し、成長と安定の両立を実現していかなければならない。今後の更なる着実な成長・発展を期待している。左田野 康 関東本部 チーフアドバイザー

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