経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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春先のみの繁忙期生産から一年を通して生産・販売ができる農器具メーカへの脱却!―現場改善の成功体験から、各部門へ次々と改善・改革の波が広がり、最後は親会社にまで支援活動が拡大―野菜用播種機のテアダウンVE改善対象モデルとした野菜用播種機(※)VE(Value Engineering)とは、製品やサービスの「価値」を、それが果たすべき「機能」と、そのためにかける「コスト」との関係で把握し、システム化された手順によって「価値」の向上をはかる手法第4期<経営実務支援事業③>(平成29年5月~平成29年9月(5ヶ月)) 第2ステージで策定した中期経営計画のテーマの内、営業戦略の推進は苦戦していた。アクションプランに沿って営業推進、展示会など行ってはいたが、限られた営業担当で全国をカバーするには限界が見えてきた。そのためには営業を効果的にサポートするPR手法の習得・実践が求められた。 そこで、最後の支援ステージとして、「PR広報の強化と情報の共有、周知の仕組み構築と顧客獲得力の向上」を支援テーマとする活動を開始した。 プロジェクト体制は、営業部門長をプロジェクトリーダーとし、管理、設計、品管、製造など5名の部門横断体制が組まれた。中小機構からは、元地元新聞記者で情報媒体、広告営業ツール制作に精通したアドバイザーを派遣した。 具体的には、以下の支援を進めた。1)メディアリテラシーの確認、PR広報の理解2)チラシ・パンフレット類の改訂3)ホームページの改訂4)展示会現地での展示ツールの検証、機能化5)メディアリリースの実施2)は、大まかな構図から詳細を決めていく手順や、構図・コピーの設定ポイント、見出し用語の選び方、フォントの大きさ、配置場所、画像に至るまで、体系的且つ精緻な支援が行われた。3)は、100件以上/日のアクセスがありながら、閲覧者へのアピール力に欠けている指摘から始まり、トップ画像の重要性が強調された。注目度の高い製品にはフラッシュ動画の導入や、製品の特徴を一目で理解できる見出しが必要であること等、多岐に亘って細かい助言がなされた。4)は、実際の展示会に出向き、横断幕、のぼり、パネル、展示物の使い方次第で商品アピール力が向上すること等、多くの課題を指摘し、次に生かす改善アドバイスが行われた。 以上の支援活動により、以下の成果を得ることができた。①チラシ・パンフレット、ホームページ、展示会の内容が、大幅に改善され訴求力が増した。②社内各部門が協力して、外部に訴求していく体制・仕組みが構築できた。③チラシ印刷をネット利用への切替えで費用削減ができた。(1万枚発注:20円/枚→1.5円/枚) 残念ながら5)は新商品導入が支援期間内に間に合わず実施できなかったが、機会を捉えて個別マスメディアへのアプローチをトライする予定である。しかし、PR広報の基本的な知識、重要性は深く理解され、それを推進していく仕組みは構築できた。今後、新しい営業アプローチとして根付いていけば、営業成果へ着実に寄与すると思われる。チラシ改善前チラシ改善後 2年半の時をかけハンズオン支援事業を4つ複合的に推進してきた結果、企業としての経営基盤が確立しつつある。 しかし、当社を取り巻く市場環境は、依然として不透明で厳しさを増している。これを乗り切っていくには、上記支援活動で得られた戦略、計画、管理の仕組みに対し、覚悟を持って粛々と回し、設計力、現場力、営業力を地道に着実に向上させていくことしかない。せっかく、従業員一人ひとりに灯った改善・改革の灯が消えぬよう、常に経営トップ層は励今後の課題

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