経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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春先のみの繁忙期生産から一年を通して生産・販売ができる農器具メーカへの脱却!―現場改善の成功体験から、各部門へ次々と改善・改革の波が広がり、最後は親会社にまで支援活動が拡大―・計画的な管理監督者教育(中小企業大学校、広島テクノプラザ各種講座への派遣・受講)2)生産計画・負荷、保管・出荷作業等の効率向上・担当者の経験に基づく生産計画から、受注、在庫、販売見通し等のロジックベースへ・工数原単位の設定、職場統合による生産負荷の低減:▲10%/月・保管棚の番地化による棚卸精度向上、時間短縮:3週間→1日・作業指示書、現品票の運用・改訂により出荷作業の精度向上、時間短縮:▲30%3)モデル職場の生産性向上・生産性(個/人・時間):36%UP・計画的な技能向上に向けた社員スキルマップの作成・推進 以上の改善プロセス・成果は、親会社の会長、社長及び当社全従業員を集めた成果発表会にて披露された。短期間の支援活動であっても、プロジェクトメンバー一人ひとりに達成感と大きな自信がつき、他の従業員へも、やる気を奮い立たせる覇気が伝わるのを感じた。 なお、派遣アドバイザーは、支援終了後も現在に至るまで、当社との直接契約にて自主活動を支援している。改善後改善前第2期<専門家継続派遣事業>(平成27年12月~平成29年3月(16ヶ月)) 第1ステージの支援を終え、会社全体で改革をやるとの機運が高まり、予定通り本丸の経営基盤強化に着手した。支援に先立ち、改めて社長面談を深めると、以下の課題に整理できた。1)従来の水稲一環体系に偏った製品構成から全く脱却できていない2)既存製品の改良・改善はもとより新商品は、ここ10年来全く市場投入できていない。3)コストダウンにも本腰が入っておらず、材料原価率が毎年上昇し、収益を圧迫している。4)開発、製造、品管、営業全ての面において自己流がまかり通っており、基本を知り発展させていく体制ができていない。5)色々な資料が散在しており体系化できていない 以上を踏まえ、第2ステージの全体支援テーマは、「経営管理・財務管理体制の強化と充実を図り、計画経営の構築と浸透により強い経営基盤を確立する」とした。 プロジェクト体制は、柴田社長を総括責任者、専務をプロジェクトリーダーとし、管理、営業、開発、品管部門のミドルマネジメント層による全社体制を組んだ。中小機構からは、元大手製造メーカに勤務されていた財務畑一筋の方で、その後、大手監査法人で活躍したアドバイザーを派遣した。 具体的には、以下を全社活動として推進した。1)経営面①中期経営計画を策定し、それを羅針盤とした経営管理の充実②アクションプランによるPDCAサイクルの徹底③各情報管理のルール化と仕組みづくり・開発情報の整備・品質マニュアル再整備・製造手順書の整備2)事業面①拡販の強化を目指した営業体制の再構築②新商品開発の推進・新商品及び既存商品改良を毎年投入できる体制づくり③徹底した原価低減の推進・VE手法の活用・資材・外注費の低減・生産性の向上・業務効率化と経費削減 なお、上記活動をスタートするにあたり、アドバイザーより、社長以下プロジェクトメンバーへ、以下のことに強い拘りを持って「基本姿勢」とするよう提案し、合意していただいた。 「プロジェクト活動における基本姿勢」・社員全員が本気で考え、知恵を絞り、汗をかき、考え、行動すること。・社員全員が責任感、当事者意識、向上心を持つこと。・社員全員がコスト意識を強く持ち、収益力向上を意識すること。・社員全員が明るく、活気ある職場を目指す集団であること。 これは、ごく基本的な事ではあるが、活動を本気になって取り組んでもらう原動力となった。1)は、財務諸表分析、利益のでない主要因を徹底的に洗い出し、改善の方向性を話し合うことからスタートした。そして、現在の事業水準(売上8億円)以下でも利益を確保できる体制を築き上げ、増収に

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