経営課題解決 成功事例集─ハンズオン支援ベストプラクティス事例集─
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富士特殊紙業株式会社場に本格的に進出することを決定し、今では食品パッケージ大手の一角を占めるまでになった。2) 常に業界最先端の印刷技術を追求 食品パッケージには、食品鮮度を保つ機能を持ったフィルム素材であることと共に、店頭で食欲や購買欲をそそるような鮮やかな印刷が必要となる。当社でも、お客様である食品加工メーカーからの要望に基づき、常に業界最先端の印刷技術の修得に積極的に取り組んできた。3) 業界初の「水性グラビア印刷」の実用化に成功昭和45年(1970年)、当社に入社した杉山社長は、印刷インクに使われている有機溶剤による職場環境の悪さに衝撃を受け、この改善に取り組み、インクメーカーや印刷機メーカーと共同して、有機溶剤を極力使わない「水性グラビア印刷技術」を約20年かけて確立した。このことは、画期的な環境改善事例として高く評価され「ものづくり日本大賞(経済産業大臣賞)」や「地球環境大賞(環境大臣賞)」等の受賞に繋がった。4)多品種少量生産用にインクジェット印刷に注目食品パッケージ印刷の主流であるグラビア印刷は、色数毎に高価な印刷版(金属ロールで、一本あたり10万円ほどかかる)が必要となり、多品種少量生産に向かない。杉山社長は、30年以上前から印刷版そのものが不要なインクジェット技術に注目し、この技術を多品種少量生産に使えないかと考えてきた。 平成23年(2011年)、当社は、中小機構が支援している「新連携事業」に認定され、プロジェクトマネージャーが当社を訪問したことが支援のきっかけとなっている。その際、社長から、インクジェット技術を食品パッケージ印刷に活用することは、食品包装材のような「軟包装材」においては、世界で初めての実用化技術であり、多品種少量生産が実現可能になる。ぜひチャレンジしてみたいとの熱い思いを伺い、その後、審査を経て、専門家派遣事業による支援につながった。 支援課題の設定や支援方針については、次の3点に配慮して決定した。1) 社員がインクジェット印刷技術の本質を理解すること 当社は、食品包装材印刷のリーディングカンパニーであることから、主体となるグラビア印刷では、業界トップクラスの技術ノウハウを持っていた。しかしながら、原理も思想も全く違うインクジェット印刷に関しては、「ほぼ素人」の状態であった。 食品包装材へのインクジェット技術を開発するためには、関係者全員がこの技術の原理や本質的な特性を理解することが必要であると判断。派遣初期の段階でアドバイザーから当該技術について集中的にレクチャーを受ける機会を設けた。2)共同開発の進捗と密接にリンクした支援当社は、印刷業者なので、印刷機械の製造はできない。そのため、派遣当初から、印刷機械メーカーやインクメーカーと共同開発する計画であった。 共同開発にあたっては、中心となるインクジェット技術の仕様決定等の段階で高度な技術判断を求められることがあると想定し、共同開発企業の承認をいただいて、打ち合わせ等にも派遣専門家が積極的に同席するようにした。中小機構との出会いプロジェクトマネージャーの視点と支援課題の設定-250-200-150-100-5005010015002,0004,0006,0008,00010,00012,00014,00016,000H23/9H24/9H25/9H26/9H27/9売上高と経常利益

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