中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 84 - 21 感染症・衛生 新型インフルエンザ等の感染症の感染拡大、適切な医療処置を受けられないことによる重症化などにより多数の従業員が罹患し、事業運営が困難となるリスクです。 ■想定事例 従業員に新型インフルエンザの感染者が発生した。感染拡大を防止するための対策を徹底できなかったため、工場内で急速に感染が拡大し、通常の操業が困難となり、製品の出荷遅延を余儀なくされた。 国・地域によっては、衛生状態の悪さ、日本では馴染みのないウィルスによる感染症(デング熱、エボラ出血熱、中東呼吸器症候群(MERS)等)の存在に加え、十分な医療体制が無いこともあいまって、感染症によって重大な被害を受け、現地での事業継続に支障をきたすこともあります。以下のような対策を講じておきましょう。 計画段階 ■感染症情報、医療体制を把握しよう • 進出先において想定される主な感染症を確認しておきましょう。感染症の種類だけでなく、症状、予防方法、治療方法についてもあわせて確認しておきましょう。また、オフィスや居住地周辺で適切な処置が受けられる医療機関を把握しておくことも重要です。 • 厚生労働省検疫所「国・地域別情報」 http://www.forth.go.jp/destinations/index.html • (財)海外邦人医療基金「海外医療情報」 http://www.jomf.or.jp/jyouhou/ • World Health Organization(WHO) http://www.who.int/en/ 操業段階 ■最新情報を収集しよう • 感染症は、発生から拡大に一定の時間を要するため、早期に発生を把握することでさまざまな対策をとることが可能となります。現地だけでなく、本社においても進出先の最新情報を常に入手するよう心がけましょう。 • 上記「感染症情報、医療体制を把握しよう」に記載したホームページの情報を定期的にチェックすることはもちろんですが、進出先の公衆衛生について当局が発信する情報も把握しましょう。また、信頼できるかかりつけの病院を見つけ、風土病等への対策を相談するなどの対応も有効です。 ■予防接種を推奨しよう • 渡航先の主な感染症を踏まえ、渡航者に対して予防接種を推奨しましょう。費用が比較的高額であり、複数回の接種が必要なものもあるので、会社が費用負担する等のルールを設けることも、予防接種の推進に有効です。 • 地域ごとに推奨される予防接種の種類は、厚生労働省検疫所のホームページで確認することができます。 • 厚生労働省検疫所 「海外渡航のためのワクチン・海外渡航で検討する予防接種の種類の目安」 http://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html

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