中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 80 - Column#11 (オーパック株式会社) 海外リスクマネジメントは現地化が重要! 同社は、昭和33年に創業し、主にモーター用部品の開発・製造・販売の事業を展開している。昭和63年、アジア各国の日系自動車メーカーへの製品供給のため、中国・大連に現地法人を設立した。 もともと、日本国内のビジネスだけでは生き残れないとの危機感から中国に進出したが、進出直後に天安門事件が発生し、「想定外のリスクは必ず起こる」との心構えを持つに至った。その後もSARS、尖閣問題での反日デモなど、さまざまなリスクを経験するたびに、リスクへの対処の必要性を再認識している。 現在、現地法人の役職員約500名中、日本人は総経理のみという同社では、「現地のことは現地の人間が最もよく分かっている。日本親会社や日本人総経理だけでは、海外のリスクに十分な対処はできない。」との考えから、リスクマネジメントにおいても、現地化こそが重要だと考えている。 現地化において重要なのは、「従業員に対して公平に接すること」だという。同社では、社員旅行などのレクリエーションは全員が参加できるよう企画する、仕事のできるからといって特定の従業員を特別扱いしないといった方針に基づいて従業員と接することで、労使間の一体感を醸成してきた。 その甲斐あってか、尖閣問題により日中関係が冷え込んでいた頃、ベテランの現地従業員から「私たちはこの会社を日本人の会社とは思っていない。自分の会社だと思っている。だから会社に何かあれば必ず守る。」という励ましのメールをもらったという。 今では、SARSや反日デモ当時の対応をもとに緊急時の対応手順を整備しており、リスクが顕在化すれば、総経理だけでなく、現地人より登用した管理部門長が総経理を補佐することになっている。「本当に現地化ができていれば、会社の中からリスクが発生することは無いし、外部からのリスクにも現地従業員と一丸となって対応できる。」と同社はいう。 現地従業員全員が参加した登山旅行での記念撮影

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