中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 78 - 19 法規制の変更・不透明な運用 参入における規制(外資規制の強化、許認可取得手続きのトラブル等)や、不透明な裁判制度による不利益の発生などのリスクです。 ■想定事例 政府が予告なく特定の部品に関する輸入規制を発表し、各企業に割当枠を通知した。突然の規制により、製造に必要な量の部品を確保できなくなり、従業員の一時帰休や操業停止を余儀なくされた。 海外では、日本に比べて頻繁な法規制の変更や不透明な運用がなされ、事業に大きな影響をおよぼす場合があるため、法規制に関する動向を早期に把握し、影響を最小限に留めることが必要です。以下のような対策を講じておきましょう。 計画段階・手続段階・操業段階 ■法規制や運用状況を調査しよう • 新興国においては、法整備が十分ではなく、適用されるべき法律がそもそも存在しない場合や、法律が存在していても内容が曖昧な場合、運用状況が不安定な場合が散見されます。 • 特に、外資規制等については、十分な検討を実施していないと、進出しても短期でビジネススキームの変更や撤退を余儀なくされる可能性もあります。 • 進出先によっては、環境関連規制や労務関連規制等について、頻繁に改正されています。また、通関手続きや課税手続き等においては、地方ごと・担当者ごとに運用方法が異なるケースがあります。 ■情報収集のためのネットワークを構築しよう • 一部の新興国においては、法規制が頻繁に改正されたり、規制の運用状況が安定していないなど、法的安定性を欠く場合があります。進出先の法規制や規制の運用状況などについて精通している専門家とのネットワークを構築し、最新の法規制情報を収集しましょう。 ■法規制の変更に関する情報を整理しよう • 法規制の変更に適切に対応するために、頻繁に改正が行われる法令、施行年月日、改正の概要、当局の照会先、現地専門家の相談先など、担当者が適宜参照可能な情報を整理しましょう。これによって、駐在員の引継ぎや現地法務担当者の育成にも活用することができます。

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