中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 76 - 18 盗難・強盗・誘拐 商品の盗難、役職員の誘拐などのリスクです。 ■想定事例 工場の倉庫から高価な原材料が大量に盗み出された。警察の捜査により警備員と犯罪組織が結託し、休日を狙って計画的に原材料を持ち出し、闇マーケットで売却していたことが判明した。 海外では日本に比べて凶悪犯罪の発生率が高い国があり、日本人を狙った盗難・強盗・誘拐も少なからず発生しています。以下のような対策を講じておきましょう。 計画段階 ■治安状況を調査しよう • 海外では「日本人は裕福である」とのイメージが強く、海外駐在員・出張者が強盗・詐欺・誘拐に巻き込まれるケースが少なくありません。また、商品や会社設備・備品の盗難が発生するケースがあります。進出先の犯罪の発生状況やその手口について情報を収集しておきましょう。 (治安状況の調査に関しては、「17.治安・政情の悪化」もご参照ください。) 操業段階 ■治安の悪い地域を把握しよう • オフィス・居住地周辺や、移動ルート上に治安の悪い地域が無いか確認し、可能な限りこれらの地域を避けてオフィスや居住地を選定しましょう。 ■事業所のセキュリティを確保しよう • オフィスの施錠や警備、入退室者の管理等のセキュリティが脆弱なポイントを洗い出し、強化しましょう。 <脆弱となりがちなポイント(例)> • 外部者の入退館管理が行われていない/警備員が常駐していない • 執務エリアが常時施錠されておらず、自由に出入りできる • 出入口以外に避難経路がない • 不審郵便物の対処方法を定めていない • 夜間残業や休日出勤の機会が多く、単独で社内に残る場合がある • 緊急時を想定した避難訓練を実施していない ■安全対策を周知徹底しよう • 役職員に以下のような安全対策を周知徹底し、犯罪に巻き込まれないようにしましょう。 <安全対策(例)> • 目立つ格好をしない 盗難を誘発するような過度な装飾品やブランド品の携行は避けましょう。 • 行動パターンの変則化 強盗や誘拐などは計画的犯行である場合が多いため、出勤・外出時の移動ルートや出発時間に変化をつけるように心がけましょう。また、金銭目的の誘拐の場合は、役職者(海外拠点の役員クラス等)の外出時を狙って計画的に行われるケースがあります。役職者のスケジュールが外部に漏えいしないよう、スケジュールの共有範囲を限定するなど、管理を徹底しましょう。

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