中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 69 - <対策実施に際して支援が可能な外部機関> 相談内容 支援可能な外部機関 現地従業員の採用について相談したい。 民間コンサルティング会社 (人材紹介系) ※P.103「海外進出支援を行う公的機関等」もあわせてご確認ください。 操業段階 ■人材を定着させよう • 新興国の一部では、より有利な労働条件を目的として職を転々とするジョブホッピングといわれる現象がみられ、日本と比べると従業員が定着しにくい傾向にあります。そのため、賃金体系を柔軟に見直し、適切な人事考課とフィードバックを行うなど、従業員にとって納得感ある人事制度を整備・運用していきましょう。能力給・勤続給を導入するなどして、中長期的に労働意欲を高める制度を導入し、定着率の維持・向上を目指している事例もあります。 • 従業員の定着のためには、賃金レベルと並んで福利厚生やキャリアサポートを充実させることが重要です。従業員の連帯感を醸成するスポーツ大会や現地従業員向けの日本におけるスキルアップ研修など、従業員の要望に応える福利厚生やキャリアサポートを充実させ、定着率の維持・向上を目指している事例もあります。 • 他方、賃金や福利厚生の充実にも限界があり、自社の条件を上回る条件を提示されれば転職されてしまう可能性があります。愛社精神を育み、労使間で強い絆を構築すること、経営理念を共有し一緒にビジネスを行っていくという連帯感を醸成することが重要です。日本本社と現地法人とで共通の課題に取組んだり、日本人幹部と現地従業員が共通の社員食堂で一緒に食事をとることで一体感を醸成しているという例もあります。 ■伝統・文化・宗教等に配慮しよう • 進出先における伝統・文化・宗教等に配慮し、現地従業員の反発を招かないことが重要です。たとえば、イスラム教徒の従業員にはお祈りの時間を設ける、中華圏においては春節の際に臨時手当を支給し帰省しやすくするなどの配慮をしましょう。 (「9.商慣習・風俗・宗教に関するトラブル」もご参照ください。) ■ノウハウの共有と自動化を推進しよう • キーマンや有能な人材がいなくなることで業務への悪影響が発生しないように、業務手順書を作成するなどの方法でノウハウを共有しましょう。また、新興国では人件費が高騰する傾向にあるため、十分な労働力を確保することが困難な場合も考えられます。業務の効率化・自動化を推進することにより、限られた労働力で高い生産性を上げられるよう業務改善や設備投資を行いましょう。

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