中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 67 - <対策実施に際して支援が可能な外部機関> 相談内容 支援可能な外部機関 現地における不正行為の発生事例を知りたい。 会計士、弁護士 不正行為発見時の対応について相談したい。 会計士、弁護士 ※P.103「海外進出支援を行う公的機関等」もあわせてご確認ください。 操業段階 ■業務フローに沿って対策を検討しよう • 不正が起きやすい業務については、業務フローを書き出し、不正の手口を想定したうえで、職務や権限などの一極集中を避ける、監視カメラを設置する、適切なタイミングで帳票の提出を求めるなどの対策を検討しましょう。前述の不正のトライアングルにおける、「機会」をなくすという対策に該当します。 ■従業員を教育しよう • 海外では、日本と比べて従業員のコンプライアンス意識が低い場合があります。どのような行為が不正にあたるのか、その不正行為が会社や従業員にどのような影響をおよぼすのかを認識させ、コンプライアンス意識を醸成することが不正の予防につながります。会社としての経営方針や従業員に求める行動規範などを定期的な研修等により周知し、組織全体の意識を底上げしていきましょう。 ■不正に対する会社のスタンスを明確にしよう • 不正に対して厳しい対応をとる、という会社のスタンスを明確にすることが重要です。研修等でスタンスを示すことや、規則や雇用契約等に不正を働いた従業員に対する罰則・処分に関する規定を盛り込んでおくことも有効です。 ■定期監査・抜き打ち監査を実施しよう • 不正を未然に防止するためには、必ず不正は発覚するという意識を従業員に持たせることが重要です。そのためには、不正発見のための重点監査ポイントや監査方法を検討し、現地責任者による定期的な監査や抜き打ち監査を実施しましょう。また、海外拠点の経営層による不正を防止・早期発見するために、本社による監査も必ず実施しましょう。 ■内部通報制度を整備しよう • 違反行為の防止・早期発見の観点からは、内部通報制度の活用が有効です。内部通報制度を整備のうえ、仕組み・内容を周知徹底し、積極的な活用を促しましょう。 ■相談やコミュニケーションを充実させよう • 不正を働く従業員の心理には、「お金に困っている」などの不正の「動機」、ならびに「自分は正当な評価を受けていないからこの程度の利得は受け取ってもいいはずだ」などの不正の「正当化」が存在します。このような心理はいかにルールを厳しくしても完全に取り除くことはできません。普段からコミュニケーションを充実させ、従業員の悩みや不満などにも耳を傾けることで、会社への帰属意識が生まれ、不正の「動機」や「正当化」を解消することにつながります。

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