中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 66 - 14 従業員等による不正行為 不適切な帳簿管理や、経費・会社備品・商品等の不正使用などのリスクです。 ■想定事例 日本語による意思疎通のしやすさを重視して、日本に留学経験のある現地人を合弁会社の経理責任者に任命し経理業務を一任した。長期間にわたり一向に現地の赤字状態が改善しないため、内部監査を実施したところ、経理責任者が二重帳簿を作成し、売り上げの一部を横領していたことが判明した。 従業員等による不正行為は、現地責任者の目が届かないところで少額の不正が長期にわたり行われる傾向が強く、発覚時には多額の損失が発生しているケースもあるため、予防・早期発見が重要になります。以下のような対策を講じておきましょう。 計画段階 ■進出先における不正事例を把握しよう • 進出先における不正事例から、進出先固有の注意点を把握しましょう。すでに進出している日系企業へのヒアリングや、進出先の不正事例に詳しい弁護士・会計士などの専門家への相談を通じて情報収集しましょう。 ■不正行為発生のメカニズムを理解しよう • 不正行為は、以下の3要素が充足される場合に起きやすいといわれています(不正のトライアングル)。不正を予防するためには、このような不正発生のメカニズムを理解しておきましょう。 • 機会 (例:不正を行うことができる立場やスキルを持っていること) • 動機 (例:売上目標のプレッシャーや個人的な借金を負っていること) • 正当化 (例:「もっと給料をもらって当然だ」という思い込み) ■不正が起きる可能性のある業務を洗い出そう • たとえば特定人が現金を一手に取り扱っているなど、不正が起きやすい業務は、ある程度特定が可能です。進出先における不正事例などを踏まえ、自社で不正が起きうる業務を洗い出しましょう。 資産の不正流用 汚職 財務諸表不正 利益相反 贈収賄 違法な謝礼 利益供与の強要 資産/収益 過大計上 資産/収益 過小計上 現金預金 棚卸資産 その他の有形資産 その他の無形資産 手許現金 窃盗 領収現金 窃盗 不正支出 不適使用 窃盗 不適使用 窃盗 窃盗 不適使用 営業秘密 機密情報 個人情報

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