中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 54 - 9 商慣習・風俗・宗教に関するトラブル 納期管理・コスト意識の違いによる取引先とのトラブルや、現地慣習や宗教上の制約等に関する従業員への配慮不足などのリスクです。 ■想定事例 現地での営業用に商品パンフレットを作成したが、日本国内用のパンフレットのデザインそのままで現地語に翻訳しただけのものだった。パンフレットに使用していた写真が宗教の戒律上不適切であると指摘され、現地法人の役員が現地警察に身柄を拘束された。 海外では、日本と異なるさまざまな商慣習、風俗・宗教があり、日本国内と同じ感覚でビジネスを進めると、思わぬトラブルに発展する可能性があります。以下のような対策を講じておきましょう。 <商慣習> 計画段階・手続段階・操業段階 ■進出先の商慣習に関する情報収集をしよう • 海外では、商慣習の違いから、支払いや納品の際にトラブルに発展することがあります。このようなトラブルを未然に防止するため、進出先の商慣習について、すでに進出している日系企業やジェトロから情報収集に努めましょう。 ■信用調査をしよう • 海外では、「取引先がどういう企業なのか」、「財務状況はどうなのか」、相手先の信用に関する情報収集・分析は、日系企業との取引以上に慎重に行いましょう。取引を開始する前に第三者の信用調査レポートを取得するなどして、可能な限り顧客の調査をしましょう。 ■契約書を作成しよう • 海外では、取引先とトラブルになって訴訟に発展することも想定し、重要な取引については、契約書を作成しましょう。 (合弁契約書作成上の留意点は「2.現地パートナー・提携先とのトラブル」、売買契約書作成上の留意点は「8.顧客とのトラブル」をご参照ください。) ■専門家を確保しよう • 問題が発生したときにすぐに相談できるよう、現地の事情に精通した信頼できる専門家(弁護士、コンサルタントなど)とのネットワークを、日頃から構築しておきましょう。

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