中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
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- 51 - Column#5 (株式会社アルバック) 技術者の交流によるグローバルな品質管理! 同社は、昭和27年に松下幸之助氏をはじめとした6人の財界人の出資を得て創業し、当初は、米国企業と技術提携を前提とした総代理店契約を結び各種真空装置の輸入販売を目的としてスタートした。その後、自ら製造にも乗り出し、現在では真空装置の総合メーカーとして事業を拡大している。昭和39年、香港企業と共同出資で香港に合弁会社を設立したのを皮切りに、アメリカ、韓国、台湾、中国をはじめとしてグローバルに事業を展開している。 グローバル生産の課題として、国によって品質に対する考え方や従業員のスキルが異なることによる、品質を一定に保つことの難しさが挙げられる。品質維持のための取組みとして、同社独自の「アルバックブランド商標使用基準」を設定し、その基準を満たした製品のみを販売することで、均質なアルバック製品を提供する体制を構築している。さらに、製造拠点ごとに品質保証部門を置き、全社統一基準にて、各拠点が自立した品質管理体制を展開している。 近年では日本だけではなく、韓国や台湾の顧客が中国に生産拠点を構えるなど、アジア地域のものづくり市場は多国間での連携が必要不可欠となっている。 上記状況の中でグローバルベースでの品質管理を一層進展させるために、同社ではさまざまな工夫を行っている。例えば、国内外の技術者の交流を活発に行っている。海外拠点の技術者を日本に派遣し、海外で販売される製品の製造段階から関与させることで、海外拠点での製品取付やメンテナンスの技術向上に繋げている。また、日本からリーダー格の技術者を海外拠点に派遣し、海外で製造から販売まで完結している製品の品質管理についてOJTで教育を実施する仕組みを構築している。 また、従業員個人のスキルアップを目的として、平成27年から、技術力(例えば、真空ポンプのオーバーホールの作業時間と品質、性能)を競う「Skills Challenge」、生産技術の改善と業務改善の成果を競う「Global生産技術報告会・業務改善報告会」というプログラムを開催している。これらは各地域にて開催する予選会を勝ち抜いた技術者だけがグローバル本選に出場するという仕組みで、これらの取組みにより国内外拠点の技術の向上、改善成果の共有と人材交流が図られ、グループ一の活性化に繋がっているという。 最後に、真のグローバル化のためには、日本本社の視点のみならず、グループ各社、とりわけ海外拠点の強みや意見、市場ニーズを取り入れた双方向での事業戦略が必要であると同社はいう。 「Skills Challenge」の会場にて撮影

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