中小企業のための海外リスクマネジメントマニュアル詳細版
50/114

- 50 - Column#4(サンヨー化成株式会社) 品質管理と万が一を想定したリスク対策でリスクを最小化! 同社は、昭和46年に創業し、内外装壁材の原材料の製造販売を行っている。従業員6名の企業であるが、海外での販路を求めて、平成13年に中国の商社と代理店契約を締結し、中国進出を果たした。 進出した当初は、価格が高いとされて売れ行きは芳しくなかったが、中国での物価高騰により価格差が縮まったこと、自社オリジナル技術・デザインが次第に評価されるようになってきたこともあり、近年は売れ行きが好調に推移している。他方で、出荷量の増加、オーダーメイド方式に伴う多品目化により、製品不良の可能性も高まってきていると感じている。 同社では、品質管理を徹底することがリスク管理にもつながるとの考えから、製品に関する自社基準を設定したうえで品質管理を徹底している。加えて、ISO9001を認証取得し品質管理のPDCAサイクルを回すことで継続的な品質改善を図るとともに、品質上の問題が発生した場合には、製造を委託している企業と共同で品質の改善、再発防止に取組んでいる。 また、メーカーが想定していない使用方法により、予期しないリスクが発生する可能性も懸念している。国内では、顧客の使用目的を把握する仕組みを設けて、使用目的にあった製品仕様とすることでリスクを低減しているが、海外では、顧客の使用目的を十分に把握できないのが現状である。 製品自体に問題がなくとも誤使用による製品事故やクレームに至る可能性もあることから、今後中国語版の取扱説明書を輸出用製品にも添付し、使用方法や警告表示を明記するなどの対策の必要性を感じている。そこで、損害保険会社からさまざまな製品安全に関するリスクやリスク対策に関する情報を入手するほか、製品の安全診断、取扱説明書・警告ラベルの安全診断などのサービスを活用することを検討している。 また、人の生命身体に危害をおよぼすような重大な製品事故が発生すれば、最悪の場合には高額な損害賠償を求められる可能性もあるため、万が一に備えて商工会議所を通じて海外PL保険(生産物賠償責任保険)に加入している。 事前の予防策と事後的な軽減策とを組み合わせてリスクの最小化が図っていることが、同社のリスク対策のポイントといえよう。 同社が製造販売している原材料を用いた内外装壁材

元のページ  ../index.html#50

このブックを見る